内容説明
半世紀ちかくを経て、「ニュルンベルク国際軍事裁判」が話題になっている。第二次世界大戦終了から50年、この間戦争、暴動、内乱、革命は世界じゅうで100をこえ、残虐行為に対する怒りの声は絶えることなく、ひとびとはふたたび「ニュルンベルク裁判」的な正義を求めるようになった。1993年、国連安全保障理事会は、荒廃した旧ユーゴスラビアの各地で行なわれた戦争犯罪を告発するため、国際法廷の設置を採択、新たなる「ニュルンベルク法廷」として、裁判所が発足した。だが、「ニュルンベルク裁判」とは、そもそも何だったのか。ナチ指導者の裁判のあと、活かされた教訓がはたしてあるのか。赤々と燃えていた希望の火がやがて燃えつき、戒めとなるべき前例が歴史の灰に埋もれてしまったのは、なぜなのか…。
目次
裁判への序曲
検察側論告