内容説明
リズ・コナーズ。32歳。独身。刑事の恋人あり。フリーライター。おもに現実の犯罪を書く。これまでも、なんど危うい目にあったかしれない。でも、今回は…このまぎれもない現実の犯罪物語では、最初から最後まで、わたしは事件の渦中にいた。いや、みずから進んで身を投じた。そうせざるをえなかったのだ。なんといっても、わたしの愛する人がこの事件の一番の犠牲者なのだから。敏腕刑事だった彼の人生が、ひとつひとつ狂わされていくかたわらで、わたしは息をひそめるべきだったのだろうか。否、“わたしが彼を救わなければ”―独房のなかで窮地にたたされた恋人を信じて、無実の証拠を追い求めるわたしの前で、ついに黒い影が動きだす…。