内容説明
ベトコン指導者が語る衝撃のノンフィクション。南ベトナムの良家に生まれ、体制内から解放戦線を支援……発覚、投獄、脱走……臨時革命政府法務大臣で「解放」を迎えた著者が国外脱出した理由は!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YukoNexus6
1
ベトナム戦争は幼少期にくっきり刻み付けられた「トラウマ」だったので、いまに到るまで気になってしょうがない。ドキュメンタリーのほとんどが米国視点なので、ベトコン中枢にいた著者の記録は大変珍しい。戦争のなりゆきで知らなかったことの多さを思い知らせてくれたけど、やはり政治的やりとりの記述より鮮やかなのは、日々の暮らしにまつわること。裕福な実家の金持ちぶり、投獄中拷問の合間の壁越しの会話、爆撃の恐怖と野戦飯のうまかったこと、幻滅から亡命の航海へ……激烈な人生を送った人の、日常の感覚とその描写が沁みた。2020/07/12
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- 和書
- 数学する身体 新潮文庫