感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
12
1982年3月から三ヶ月にわたり、英国領フォークランドを占領したアルゼンチン軍に対し、英国艦隊によるこの島の奪回作戦が行われます。日本名フォークランド紛争。この戦いの様子を、それまで可愛い玩具レベルにしか見られていなかった垂直離着陸可能な戦闘機ハリアーの活躍を中心に描いたのがこの本。なんと、書かれたのは戦争の翌年、1983年。あの時代によくまぁここまで詳細に、公平な視点で、感情を排して、しかもユーモアを交えて、書けたものだ。いいね。2018/11/26
植田 和昭
10
フォークランド紛争は、僕が高校1年生のときにおきた戦争です。アルゼンチン軍の航空機の命知らずな攻撃に驚いたものです。特にエクゾセミサイルの威力に世界は衝撃を受けました。シーハリーアーが一方的に空戦を展開していたものだと思っていましたが、アルゼンチン軍のミラージュも紛争初期には、積極的に空中戦を挑んできていたことがわかりました。A4スカイホークでのアルゼンチン軍の勇敢な攻撃は、爆弾の信管の問題がなければもっと戦果をあげていたでしょう。それでもアルゼンチン軍の攻撃は衝撃の瞬間でもとりあげられていました。2025/02/21
蟹
3
江畑氏による訳者後書きにあるとおり、平易かつできる限り公平な立場でフォークランド紛争に関する航空作戦全般をよく解説している。アルゼンチンにとってはもちろんのこと、英軍にとっても決して楽ではない戦いであったことがよくわかる。また、英軍の公式戦果に対して、バトル・オブ・ブリテンの事例を引いて真っ向から反論しているくだりは読み応えがあり、納得できるものになっている。2016/05/03
たい
3
フォークランド(マルビナス)をめぐる紛争の飛行機事情を始めから終わりまで詳述。つまり泥縄の戦争準備に始まって、ハリアーの輸送、滑走路をめぐる攻防とバルカンの変態飛行、エグゾゼのの脅威とか盛り沢山。アルゼンチン側の視点を忘れないのもとても良い。 この内容は『北欧空戦記』に次ぐ、というのは言い過ぎでないかも。