内容説明
ネット活用が日本より進む国で、民意はどう動くのか?「進歩」新興メディアと「保守」既存メディアの相克。政界へのインパクトは?ビッグデータが可視化した、多様なケーススタディ!今、世界各国で注目のテーマを客観的な分析手法で読み解く。
目次
第1章 ビッグデータの時代
第2章 政界の両極化で
第3章 ソーシャルメディアの偏向
第4章 リーダーと派閥政治
第5章 イメージと世評の政治
第6章 世代間対立の政治
第7章 日常の政治化
第8章 メディア生態系の崩壊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1192kotaroS
12
近年注目されているビッグデータという手法を用いて、韓国の政治の実態をメディアやSNSなどとの関連から客観的に読み解いてくれる一冊。本書は独自の視点を有しているため、韓国政治を語るありきたりな本とは一線を画しているように思う。個人的には保守・進歩の分断が激しい韓国において、政治家個々人のイデオロギー傾向をビッグデータによって明確に可視化出来ることや、またSNS上のイデオロギー傾向が実際のそれと必ずしも一致しないという点が興味深かった。日本の政治においてもこうした客観的分析が求められているのかもしれない。2020/11/29
田中峰和
3
ビッグデータ云々の前に、韓国政治のイロハを学べる本書。李明博の第18代国会を動物国会と呼び、朴槿恵の第19代国会を植物国会と呼ぶのも初めて知った。要は野党が激しく抵抗する動物国会から植物人間のように与党も動けない植物国会へと変遷してきたのである。世界的にもトランプなどSNSを多用する政治家の影響もあり、ビッグデータを活用した解析が有効になってくる。とくに韓国では政治の情報公開が進んでいるので、SNSでの発言傾向の整合性なども定量的に描き出されている。ビッグデータ活用の政治研究は日本でも必要になるだろう。2017/12/05
紙狸
0
韓国政治へのアプローチには大別2通りある。一つは、普遍的な(つまり様々な国に適用可能な)方法を用いて、韓国を分析する方法。もう一つは、韓国での体験や知見をもとに、韓国の政治像を作る行き方。前者の立場の学者は、後者の手法をとる人を「事情通」と呼ぶこともある。この本は前者に属する。韓国はITが普及しているから、ビッグデータを分析しようという着眼点は理解できる。ただ、その分析手法を使って出される個々の結論に、さほど新味を感じないのは、なぜだろうか。 2017/12/05
モラトリアム期間が終わった人A
0
韓国の実態を把握するために読んだ。 前提知識がない状態でも読みやすかった。 普通の概要書を読んでから本書を読んだ方が理解しやすかったかもしれない 2020/01/08