出版社内容情報
小社では、『イタリアのテリトーリオ戦略』(2022年)と『南イタリアの食とテリトーリオ』(2024年)と刊行してきた。いずれも高度な内容ながら高く評価され、『イタリアのテリトーリオ戦略』は7刷を数えた。
イタリアといえば、長い歴史と華麗な文化を誇る「都市の国」のイメージが強かった。しかし本シリーズでは、中小都市の復興が顕著になった 80年代半ば以降の、そのまわりに広がる「田園」との連携に着目している。すなわち、スローフード運動の台頭も相まって地域の固有性を誇る食文化の評価が高まり、過疎で悩んでいた農村の復権・再生への動きが強まる中、その根底にある、土地に根ざした「テリトーリオ」(地域 / 領域)を鍵概念に据え、多角的にその意味や価値を分析、考察してきた。
第3弾となる本書は、デザインやファッションなどイタリアならではの産業にも着目し、より大きな枠組みでテリトーリオを論じる。すなわち産業集積論をテリトーリオの観点から捉え直しており、グローバル化を乗り越え、地域の中小企業と住民の暮らし、そして生産者の誇りなどが一体となった空間や環境保護に根ざした産業、そして地域発展に向けた方法論を提示する。
グローバル化のあり方が問い直されている今、イタリアの諸文化・産業に関心がある方にはもちろん、より広い読者に訴求するであろう。
【目次】
はしがき
第1部 テリトーリオを産業集積と農業の二側面から読み直す
第1章 北伊都市コモの絹織物産業の発達にみるテリトーリオの底力
コラム コモのファッション産業:マッラード・モルティン氏インタビュー
第2章 イタリアの産業地区、地域に関する研究の系譜
コラム ディストレット概念の誕生
第3章 イタリアにおける産業集積論の理論的展開
第4章 地域に根ざした農業・食品システムの競争力
第5章 都市計画の領域から捉え直すイタリアの産業集積地と田園
第6章 ピエモンテ州ランゲ地方にみる「デザイン文化」:1990年初頭、ランゲが話題のトップにくることはなかった
コラム プロセスと意味の絶え間ない変革;アレッサンドロ・ビアモンティによるエッセイ
第2部 テリトーリオの理論と実践のさらなる展開─風景と食を焦点として
第7章 テリトーリオとパエサッジョ:田園の価値を高めたふたつのキー概念
第8章 テリトーリオ食料システムの誕生─1968年と77年におけるイタリア新左翼運動の転換から
第9章 食産業で形成されるテリトーリオ:プロジェクト・ディ・パルマ、パルミジャーノ・レッジャーノ、濃縮トマトを事例として
第10章 ナポリのテリトーリオ:街のアイデンティティを支える食文化
第11章 トスカーナ州の営農方法からみたテリトーリオの類型化とその再生メカニズム
第12章 地域への誇りと愛着が創る持続可能な地域社会
終 章 イタリア流テリトーリオの底力
あとがき
内容説明
イタリアがもつ奥深さを学び、日本が直面する地方消滅危機を乗り越える。産業集積、テリトーリオ、および地域循環型フードシステムの重要性を訴え、現代社会における価値観のパラダイム・シフトを促す。
目次
第1部 テリトーリオを産業集積と農業の二側面から読み直す(北伊都市コモの絹織物産業の発達にみるテリトーリオの底力;イタリアの産業地区、地域に関する研究の系譜;イタリアにおける産業集積論の理論的展開―アンドレア・マレスコッティ氏インタビュー;地域に根ざした農業・食品システムの競争力―産業集積論からの発展;都市計画の領域から捉え直すイタリアの産業集積地と田園;ピエモンテ州ランゲ地方にみる「デザイン文化」1990年初頭、ランゲが話題のトップにくることはなかった)
第2部 テリトーリオの理論と実践のさらなる展開:風景と食を焦点として(テリトーリオとパエサッジョ―田園の価値を高めたふたつのキー概念;テリトーリオ食料システムの誕生―1968年と77年におけるイタリア新左翼運動の転換から;食産業で形成されるテリトーリオ―プロシュット・ディ・パルマ、パルミジャーノ・レッジャーノ、濃縮トマトを事例として;ナポリのテリトーリオ―街のアイデンティティを支える食文化;トスカーナ州の営農方法からみたテリトーリオの類型化とその再生メカニズム;地域への誇りと愛着が創る持続可能な地域社会;イタリア流テリトーリオの底力)
著者等紹介
木村純子[キムラジュンコ]
法政大学経営学部教授。ニューヨーク州立大学修士課程修了(MA)、神戸大学博士後期課程修了、博士(商学)。2012~2014年までヴェネツィア大学客員教授。専門は、テリトーリオ、地理的表示(GI)保護制度、地域活性化。農林水産省の地理的表示登録における学識経験者、財務省の国税審議会委員他
陣内秀信[ジンナイヒデノブ]
法政大学名誉教授。同大学江戸東京研究センター特任教授。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。ヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。パレルモ大学、トレント大学等の契約教授。地中海学会・都市史学会会長歴任。受賞歴:サントリー学芸賞、地中海学会賞、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、イタリア共和国功労勲章コメンダトーレ章等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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