出版社内容情報
地元商店街におけるアーケード整備、またショッピングモールの誘致のようなハード中心の施策が、必ずしも暮らしやすい街をつくることにつながらないことは今ではよく知られるようになってきている。 本書は、これまでの地域商業政策を丁寧にレビューしながら、山形県鶴岡市・新潟県長岡市・山梨県甲府市・香川県高松市の地方圏4都市と、東京都立川市・千葉県船橋市の首都圏2都市について現地調査を行い、さまざまな施策の光と影を明らかにしている。 また、商業の文化発信力に着目し、特に、モノを通して、「価値ある経験」を創り出している個店を4つ紹介しながら、それらの店が地域社会と価値共創していることを示す。 華やかな成功事例だけでなく、必ずしもうまくいっていない事例も紹介されており、商店街の関係者、また自治体担当者に貴重な資料となろう。
矢作 敏行[ヤハギ トシユキ]
川野 訓志[カワノ サトシ]
三橋 重昭[ミハシ シゲアキ]
内容説明
地域商業の文化表現力をいかした新しい「まちづくり」の方向性を問う!地方と首都圏6都市の現地調査から、商店街整備に終始した商業近代化政策から脱却し、市民との連携やまちなか居住、地域産業との協働などのまちづくりを目指す地域商業の動きを分析。地域商業とまちの存続のための問題点を抽出する。
目次
地域商業の文化表現力
第1部 郊外化に揺れる地方都市のまちづくり(中心商店街に浮沈あり―山形県鶴岡市;コンパクトシティを先取りした公共施設のまちなか配置―新潟県長岡市;地盤沈下する中心市街地―山梨県甲府市)
第2部 大都市圏における大型店中心のまちづくり(大型店がけん引するまち―東京都立川市;中心商業地の混沌と多様性―千葉県船橋市)
第3部 地域商業の底力(「商業近代化計画」を超えて―香川県高松市;個店の力―各地の事例にみる;商業政策の変容―商業近代化からまちづくりへ)
まとめ
著者等紹介
矢作敏行[ヤハギトシユキ]
法政大学名誉教授。博士(商学)。主著『デュアル・ブランド戦略―NB and or PB』(編著)有斐閣(2014年)。『日本の優秀小売企業の底力』(編著)日本経済新聞出版社(2011年)、など
川野訓志[カワノサトシ]
専修大学商学部教授。主著:「地方自治体における出店規制について―熊本県中規模店条例を手がかりとして」『専修ビジネスレビュー』白桃書房、Vol.11 No.1(2016年3月)。「流通政策の歴史と地域の再生‐調整政策の歴史‐」、佐々木保幸、番場博之『地域の再生と流通・まちづくり』白桃書房(2013年5月)
三橋重昭[ミツハシシゲアキ]
内閣府認証特定非営利活動法人まちづくり協会顧問(前理事長)。主著:「中心市街地活性化の成果と課題」『季刊まちづくり』36(2012年)。『よみがえる商店街』学芸出版社(2009年)、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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