内容説明
本書の考察は利益概念の検討から始まっている。けれども、本書の内容はそれだけに止まらない。1970年代以降特に顕著になってきたキャッシュ・フローをめぐる論議は、会計の中心概念としての利益に対する異議申し立てという要素を含んでいるからである。したがって、本書の考察はキャッシュ・フローあるいはキャッシュ・フロー会計の検討にも及んでいる。現在の会計研究においては意思決定・有用性アプローチが主流をなしており、これは建て前としては情報利用者一般の要求に応えることを旨としているが、通常の場合、情報利用者として想定されるのは株主および投資家あるいは債権者がせいぜいであり、エコノミストが情報提供者として考慮されることは稀である。したがって、本書の特色は、この通常は無視されがちなエコノミストを情報利用者として明確に意識しているところにある。
目次
第1章 いわゆる経済的利益概念
第2章 会計的利益概念と経済的利益概念
第3章 インフレーション下の利益概念
第3章補論 資本維持概念について
第4章 経済的利益と会計的利益:その水準と比率をめぐって
第5章 キャッシュ・フロー会計と現金回収率
第6章 キャッシュ・フロー会計の代替可能性
第7章 FASBにおけるキャッシュ・フローの位置
第8章 FASBキャッシュ・フロー計算書について
第9章 課題と展望
-
- 電子書籍
- 試験にパスする画期的テクニック : 記…