出版社内容情報
近年、企業の競争環境が厳しくなり、急激な価格下落を伴うコモディティ化が多くの産業において一般化している。そこで「他社に模倣できない価値づくり」が必要とされ、その際、技術を軸に考えることが多い。しかし、技術のみを開発の軸にしていてはどうしても展開する製品の幅が狭くなってしまう。さらに、昨今は技術の進展や企業が模倣するスピードが加速しており、ある時期において業界の標準技術であったものが、すぐに他の技術に取って代わられることも珍しくない。
本書は技術に代わる開発の拠り所として、製品コンセプトに着目し、モノづくり企業であるシャープのヘルシオ・シリーズ(9製品)の連続的開発事例を丁寧に分析。これまで十分に研究の蓄積のなかった、多様な製品カテゴリーへの継続的な製品開発の実態と、そのプロセスにおける製品コンセプトの役割に迫る。
そして、製品コンセプトを軸に、製品カテゴリー、技術を組み合わせた、面としての「開発の基盤」という、オリジナルの概念を導入し、コモディティ化克服へのメカニズムを分析する。
筆者たちの長年にわたる研究の成果である本書は、製品開発論に新たな視点を提供するとともに、実務家に役立つよう、わかりやすく実践的な記述が工夫されている。
【目次】
序 章 多様な製品カテゴリーへの継続的な展開とは
第1部 ヘルシオ・シリーズ(9製品)の開発プロセス
第1章 技術を軸にした製品開発と製品コンセプトの創出
第2章 製品コンセプトを軸にした製品開発
第2部 考察
第3章 組織は何をしているのか?
第4章 個人は何をしているのか?
第5章 価値づくりとは?
終 章 多様な製品カテゴリーへの継続的な展開の実現
内容説明
コンセプトの解像度を上げ、卓越した開発の土台をつくりあげよ!異なるカテゴリーへの連続的製品開発事例を丁寧に分析。製品コンセプトに対する共通理解を図り、それを軸にした開発要素の巧みな組み合わせで未来を切り拓いていくプロセスを詳細に描く。製品コンセプトの新たな側面にも光を当て、「価値づくり」に日々奮闘する実務家に、「競合他社が模倣できない開発」への道筋を指し示す!
目次
序章 多様な製品カテゴリーへの継続的な展開とは
第1部 ヘルシオ・シリーズ(9製品)の開発プロセス(技術を軸にした製品開発と製品コンセプトの創出;製品コンセプトを軸にした製品開発)
第2部 考察(組織は何をしているのか?;個人は何をしているのか?;価値づくりとは?)
終章 多様な製品カテゴリーへの継続的な展開の実現
著者等紹介
陰山孔貴[カゲヤマヨシキ]
関西大学商学部教授。博士(経営学)。1977年大阪府豊中市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科にて電子・光子材料の研究を行った後、2003年にシャープ株式会社に入社。液晶パネルや白物家電事業、企業再建業務に携わる。神戸大学大学院経営学研究科修了。2013年に獨協大学経済学部経営学科に専任講師として着任後、2017年准教授、2022年関西大学商学部准教授を経て、2024年より現職。専門は「イノベーション・経営者論・マネジメント・製品開発論」
竹内竜介[タケウチリョウスケ]
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。博士(経営学)。1980年大阪府堺市生まれ。神戸大学大学院経営学研究科修了。2011年に横浜国立大学経営学部に専任講師として着任後、准教授を経て、2023年より現職。専門は「国際経営史」。企業家研究フォーラム賞(論文の部)、多国籍企業学会賞(学術研究奨励賞)、横浜国立大学令和5年度ベストティーチャー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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