出版社内容情報
本書は、アジアにおける産業クラスターを通しての経営戦略に関しての考察をまとめている。産業クラスターは、アジアでのアグレッシブ、かつダイナミックな経済活動や企業経営による持続的な経済発展と成長の源泉の一つになっているためである。
調査の対象とした国・地域として、後発開発途上国であるバングラデシュ・ラオス、新興国であるベトナム、そして日本の沖縄県を中心に取り上げる。そして情報通信産業と産業クラスターに焦点を合わせ、日本とアジア地域との共創としてのビジネスのあり方を考察する。
すなわち、アジア地域の持続的な成長を支える産業政策として、情報通信産業と産業クラスターの特性を活かした都市開発・都市戦略・地域戦略であるスマートシティ戦略について追究する。そして現代のグローバル化の中のアジア地域について、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の中間地点に位置しているわが国の沖縄の視点からも検討している。沖縄は、海外すなわちオフショアではなく、国内ながら諸経費を抑えられるニアショアとしての優位性を活かすべく、積極的な産業振興と企業誘致、及び産業集積、産業クラスターの形成に取り組んでいるという。
関連分野の研究者に加え、各国・沖縄への進出を考える情報通信産業関係者、また、沖縄の産業政策に携わる方におすすめ。
目次
アジアの情報通信産業と産業クラスターの概要
第1部 情報通信産業と産業クラスター(バングラデシュの情報通信産業と情報システム開発;ラオスの産業インフラと産業クラスター戦略;ベトナムのダナン・ハイテクパークにおける情報通信産業の産業クラスター戦略)
第2部 情報通信産業と沖縄(沖縄IT津梁パークにおける情報通信産業の産業クラスター戦略;沖縄の情報通信産業におけるシステム開発とニアショア開発;沖縄の情報通信産業を活用した金融機関のビジネスモデル)
第3部 情報通信産業とスマートシティ(ベトナム中部都市のダナンにおけるスマートコミュニティ戦略;ダナンの都市開発とFPT Cityにおけるスマートシティ戦略;ベトナム南部都市のビンズン省におけるスマートシティ戦略;アジアの経済発展と情報通信産業)
著者等紹介
税所哲郎[サイショテツロウ]
日本情報経営学会理事、日本生産管理学会理事、東連ジャパン理事、アジア経営学会評議員。中央大学経済学部卒業、金融機関を経て、関東学院大学、群馬大学、国士舘大学勤務、及び横断型基幹科学技術研究団体連合理事、日本セキュリティ・マネジメント学会理事、経営情報学会理事、システム監査学会理事地域デザイン学会特任理事等を歴任。青山学院大学大学院国際政治経済研究科国際ビジネス専攻修士課程修了、修士(国際経営学)。長崎大学大学院経済学研究科経済経営政策専攻修士課程修了、修士(経済学)。中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)。専門分野は、経営情報、情報戦略、情報セキュリティ、情報システム。著書に、『マッチング・ビジネスが変える企業戦略―情報化社会がもたらす企業境界の変化』(2016、白桃書房、日本生産管理学会第18回(2016年度)学会賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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