出版社内容情報
こんにちの日本では、ベンチャースピリットはあまり強くないと言われ、国際比較した時の起業率も低いとされている。しかし、特にインターネットの利用やグローバル化が進んだ影響で、起業家によって率いられた革新的な事業が瞬く間に大きな売り上げを上げるようになり、大きな社会的なインパクトを及ぼす企業も目立つようになった。
本書は、そのような企業のうち、特にDeNAに焦点を当て、企業としての成り立ち、以前の不祥事とその対応を振り返った上で、自力での運営断念に至ったキュレーションメディアについて、その経緯を報道や第三者委員会報告書などから丁寧に掘り下げる。そしてそれを通し、DeNAの経営者たちの問題点が起業家の持つ特性に基づくことを指摘する。
さらに、ファーストリテイリングやソフトバンクでは、後継者問題をめぐり生じた混乱にも同様の構造があることを指摘し、急成長を遂げたベンチャー企業の起業家が陥りやすい失敗の形を明らかにすることで、今後、同種の問題の発生を防ぐ際の参考となることを目指している。
ベンチャー企業も成長につれ社会的な要請が高まり、それに応えていくため、起業家はその段階に合わせ、的確に経営変革をしていくことが求められるようになる。今後、ベンチャー企業の力が社会でさらに幅広く求められている中で強く留意するべき事項が、ミクロに掘り下げられた豊富な事例からまとめ上げられている。
はじめに
第1章 DeNAの企業分析
第2章 著作権侵害事件の概要
第3章 著作権侵害問題への対応状況
第4章 事件の原因構造
第5章 ベンチャー企業の経営変革に関する考察
おわりに
樋口 晴彦[ヒグチ ハルヒコ]
著・文・その他
内容説明
DeNA著作権侵害事件とソフトバンク、ユニクロに共通する起業家の陥穽。
目次
第1章 DeNAの企業分析(DeNAの事業展開;過去の不祥事 ほか)
第2章 著作権侵害事件の概要(事業の始動;事業の展開 ほか)
第3章 著作権侵害問題への対応状況(iemo;MERY ほか)
第4章 事件の原因構造(経営者の問題点;リスク管理部門の機能不全 ほか)
第5章 ベンチャー企業の経営変革に関する考察(ベンチャー企業の定義;起業家の特性と限界 ほか)
著者等紹介
樋口晴彦[ヒグチハルヒコ]
1961年生まれ。1984年に東京大学経済学部卒業、警察庁へ。内閣安全保障室参事官補、愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局首席監察官などを経て、警察大学校警察政策研究センター教授。これまでオウム真理教事件、ペルー大使公邸人質事件、東海大水害対策などの危機管理に従事。企業不祥事の分析を通じて組織のリスク管理及び危機管理を研究。1994年にダートマス大学Tuck SchoolでMBA、2012年に千葉商科大学大学院政策研究科で博士(政策研究)を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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