出版社内容情報
知識を共有し活用していくことは、共有対象が同じ組織、同じオフィスの中にあったとしても簡単なことではないが、このような物理的な制約に限らず、職階や組織が異なることなど、抽象的な「境界線」を越えて知識共有を進めることも難しい。
本書は知識移転の問題を、その障害となっている境界線をいかに克服するか、という観点から分析するべくフレームワークを提示。これに基づき、ASEAN諸国における日系グローバル企業の事例に当たりながら課題を明らかにする。
高度な研究書ではあるが、知識のうち、特に組織を適切に管理するノウハウにも注目し議論が展開されており、グローバル企業で海外子会社や拠点の統括を行っている方、また、現地で管理に携わる方にも有用だろう。
西脇 暢子[ニシワキ ノブコ]
編集
内容説明
アジアにおける日系企業の自律的活動と組織のマネジメントのために、知識移転はどう行われているか。問題提起・理論研究から事例調査、考察をもって検証。知識の送り手と受け手の間で行われる双方向的活動という観点から知識移転のメカニズムを解明し、アジアの多様性の理解にも役立つ。
目次
第1部 理論研究―知識移転をどのように論じるべきか(国際的枠組みで行われる知識フロー;組織内知識移転と境界線のマネジメント―組織の境界線と知識の境界線)
第2部 アジア地域のビジネス環境―プラスワン経済圏と法的境界線(アジアにおける知識移転の基盤整備と実際;国境を超える知識移転と法的障壁)
第3部 事例研究(国境を超えるガバナンス―地域本社の機能と知識マネジメント;製造・開発現場における知識移転と「海外準マザー工場」の役割―タイにおける日本発条株式会社のシート事業の事例 ほか)
第4部 考察(知識移転における地域本社の役割;知識移転における下位ユニットの役割―「海外準マザー工場」の役割 ほか)
著者等紹介
西脇暢子[ニシワキノブコ]
日本大学経済学部教授。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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