出版社内容情報
人事異動は、従業員の能力を高めるため、あるいは出世のための手段とされてきた傾向があるが、従業員の活躍は企業が戦略的に人事異動を行えているか否かに大きくかかっている。本書は特に、人事異動が組織アイデンティティの獲得にも有用なことを明らかにし、そのメカニズムを追究する。
組織アイデンティティは企業の個性というような意味で用いられ、人事異動を通じて組織アイデンティティの中核を認識していくことで、従業員同士が考えを共有し、一体感が醸成されることにもつながっていく。
従業員の変化をつぶさに追い、これまで知られていなかった人事異動の効用を明らかにした本書の知見は、人材のベクトル合わせを通じた組織能力の向上につながるであろう。
林 祥平[ハヤシ ショウヘイ]
著・文・その他
内容説明
どのような経験、環境によって従業員は能力を獲得し、仕事でそれを発揮し、さらには組織を担う人材に育っていくのか。本書は、従業員の変化をつぶさに追い、その契機を組織的同一化に絡む人事異動と見た。人事異動の持つ知られざる可能性がいま明らかになる。
目次
第1部 先行研究レビュー(組織的同一化研究の俯瞰;人事異動と組織的同一化)
第2部 実証研究(人事異動と組織的同一化の探索的調査;リサーチクエスチョンの設定と調査概要;コープAの人事異動と組織アイデンティティ;コープAにおける組織的同一化;定性的分析の結果から見えてくるもの ほか)
著者等紹介
林祥平[ハヤシショウヘイ]
1984年小樽に生まれる。2008年武蔵工業大学環境情報学部卒業。2010年一橋大学商学研究科経営学修士コース修了。2012年神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。2015年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)取得。明治学院大学経済学部経営学科専任講師。日本労務学会賞(研究奨励賞)2015年。専門分野:組織行動論、経営組織論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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