出版社内容情報
近年、これまで日本の企業がうまく対応してきた連続的なイノベーションの創出だけでは不十分となり、非連続なイノベーションを生み出していく必要性がますます高まってきている。
特に、非連続なイノベーションが自社以外で生まれ、既存の事業者が後追いでもそのイノベーションに対応する反応型戦略を取らざるを得ない場合には、M&A(合併・買収)や、M&Aより緩やかな提携であるオープンイノベーションを戦略として採用し、対応する必要がある。特に本書が着目する製薬業界や半導体業界などの「サイエンス型産業」では、特に製品開発以前の基礎研究・技術開発が特に重要で、反応型戦略を採用せざるを得ないことが多い。
本書は非連続イノベーションに対し、反応型戦略を取った際の影響を産業/個別企業/チーム・個人のレベルで分析し、すでに広く知られている、 M&Aで買収される側の組織が動揺し、人材流出が起きがちであるということだけでなく、買収する側の研究組織・人材にも同様の悪影響がもたらされることがあることを明らかにする。
既存の組織を踏まえながら、持続可能なR&D戦略のあり方を探っており、非連続イノベーションへの対応にあたり、組織マネジメント上の課題という切り口で捉えた書として貴重。
小久保 欣哉[コクボ キンヤ]
目次
1章 序論
2章 先行研究の整理と論点抽出
3章 医薬品産業の概略
4章 非連続技術へのイノベーション戦略の実証分析
5章 技術変化対応への外部資源活用:武田薬品工業の事例分析
6章 OIとM&Aの組織能力への影響:医薬品基礎研究者を対象とした実証分析
7章 結び:まとめと今後の研究課題
著者等紹介
小久保欣哉[コクボキンヤ]
北海道大学大学院経済学研究科修了、首都大学東京社会科学研究科修了、筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)。日本イーライリリー株式会社、キャップジェミニ(ザカティーコンサルティング)株式会社、マネジャーなどを経て、2009年に株式会社野村総合研究所入社、コンサルティング事業本部、上級研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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