出版社内容情報
項目反応理論は、テストの項目と受検者の関係を切り離し評価できる、確率論を取り入れた測定理論で、以前は、学校教育などでの利用が中心だった。
しかし、1999年に刊行した『組織心理測定論』は、この理論自体があまり知られていなかった当時、経営組織への応用を試みた結果、組織心理学研究における測定論の基本図書となり、研究者や実務家の間で広く参照された。
本書は、『組織心理測定論』を元にしながら、新たに11の章を書き下ろすことで、経営環境の変動による、ビジネスニーズや研究テーマの変化に対応し、組織心理学と心理測定論の新たな架け橋となることを目指し執筆された。
内容説明
組織、ことに経営組織という文脈の中で働く人々の行動や心理を、項目反応理論と呼ばれるテスト理論によっていかに精緻にかつ適切に、公正に測定するか、組織マネジメントの実践に資する知見の集大成。
目次
第1部 理論編(項目反応理論の概要;項目反応理論による組織心理の測定)
第2部 基礎編(職業興味の測定;職務興味の測定;職務満足の測定;組織コミットメントの測定;組織的公正の測定;組織ストレスの測定;中核的自己評価の測定;パーソナリティの測定)
第3部 応用編(CAT方式による識別性検査;多面評価の測定的等価性分析;感情査定尺度の翻訳等価分析;抑うつ尺度の国際比較;努力‐報酬不均衡尺度の国際比較;組織コミットメントの日米比較)
第4部 展開編(評定尺度法の検討;アンフォルディングモデルの検討)
第5部 実践編(IBM版・DOS版プログラムの使い方;Windows版プログラムの使い方;項目反応理論分析プログラムEasyEstimationシリーズ)
著者等紹介
野口裕之[ノグチヒロユキ]
名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。1952年大阪府生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程中途退学。教育学博士。専門は、テスト理論、言語テスト
渡辺直登[ワタナベナオタカ]
慶應義塾大学大学院経営管理研究科トヨタチェアシップ基金教授・放送大学客員教授。1951年三重県生まれ。イリノイ大学大学院教育心理学研究科博士課程修了。Ph.D.専門は、産業・組織心理学、心理測定論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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