内容説明
本書の目的は、情報化社会に必要不可欠な情報管理のあり方を、データベースのしくみと応用の両面を通して明確にすることにある。コンピュータシステムの実態は、コンピュータに支援された情報システムにほかならない。情報システムには、情報管理の理想的なあり方が求められ、これを実現するしくみがデータベースであるといってよい。情報化社会において、組織が効率的な情報管理を実現するためには、情報管理を強く意識した情報システムを構築するとともに、組織内外のデータベースを上手に使いこなすための技術や知恵が必要となる。情報管理を統合的にとらえる意味でも、データベースの応用面とともに、密接に関係しているその構造など、しくみの面からもデータベースを論ずる必要がある。筆者は、情報管理分野の教育を実践するにあたり、データベースのしくみとその応用についてバランスよく論じた書物があまりにも少ないことに気づき、本書を著すことにした。本書は、昨今増加している、経営環境や環境情報といった、学際的な学部学科の学生や新たに社会人となる人のために、データベース論的なアプローチで情報管理の実際を学習できるようにした教科書でもある。さらには、情報管理を基本とした研究開発管理や経営管理など、迅速で的確な意思決定が求められる場面において、さまざまな視点でデータベースを活用するための基本的な知識も学べるようにした。
目次
第1部 データベースのしくみ(「情報」の基礎概念;情報化社会と情報管理の必要性;情報管理とデータベース;データベースの概念;データモデルの概念)
第2部 データベースの応用(情報の収集;情報の加工と整理;情報の電子化;情報の提供;情報の分析と利用 ほか)