出版社内容情報
本書は、8世紀から11世紀にかけて展開した「ヴァイキング現象」を、スカンディナヴィア社会の変容と北欧世界の拡大という視点から総合的に描く。
序文では「ヴァイキング」という呼称や年代学、史料をめぐる議論を整理し、続いてバルト海・北海・イギリス海峡を含む北方海域全体の歴史的文脈にこの現象を位置づける。農業と交易の発展、初期都市の成立、戦士エリートと政治的権力の形成、宗教と価値観といった社会構造を分析したうえで、卓越した航海技術と船の進化がその拡大を可能にしたことを示す。さらに西欧、北大西洋、東方という地域ごとの移住と接触の多様なあり方を検討し、ヴァイキングの活動が「ディアスポラ」として多様な経験を生み出したことを明らかにする。最後に、キリスト教化と王権形成を通じた社会の変容を描き、ヴァイキング時代の終焉とその歴史的意義を論じる。
【目次】
序文
第一章 動いている社会
I 環境と人間
II 経済活動の多様化
III 階層化された社会
IV スカンディナヴィア諸王国の出現
V 信仰と価値
第二章 船乗り、商人、戦士
I 船で
II 商人と戦士
III ヴァイキング現象の諸起源
第三章 ヴァイキングの西欧進出
I スカンディナヴィア人の来襲から定着へ(八世紀末―九三〇年頃)
II 第二波(九八〇年頃―十一世紀中頃)
III 同化とアイデンティティー
第四章 北大西洋諸地域
I フェロー諸島とアイスランドへの植民
II グリーンランド入植とヴィンランドの探検
第五章 東方への道
I 諸条件
II バルト海沿岸
III スカンディナヴィア人の東ヨーロッパ進出の第一歩と東方交易
IV ルーシ国家の誕生
第六章 ヴァイキング時代の終焉
I 中央集権的君主権力の確立
II スカンディナヴィア諸国の改宗
結論
解説 フランス語圏のヴァイキング研究とピエール・ボドワンの視界
訳者あとがき
参考文献



