出版社内容情報
現代病ともいわれる「うつ病」。その歴史から、フランスのうつ病臨床をとりまく現状について、一般の人に向けて書かれた啓発書。
内容説明
本書はメランコリーやアケディアといった古典的概念から近代社会へ、そして現代精神医学のバイブルとなった米国DSMマニュアルへと向かう変遷について概説。フランスのみならず、英米圏での最近の知見や議論についても紹介し、この「世紀の災厄mal du si`ecle」について、経験豊富な心理臨床家の立場から考察。現代人が抱えるこの苦悩の、その先の治癒や回復を目指すための手がかりとは。
目次
第1章 メランコリーからうつ病へ(抑うつの不変の苦痛;メランコリーと診断;うつ病診断のパラドックス;うつ病の評価尺度)
第2章 うつ病を説明する(原初の身体論的説明;現代の身体論的説明;うつ病の文化的形象;現在の科学的モデル)
第3章 うつ病とその治療的展望(身体的治療;心理的アプローチ;うつ病からの回復)
第4章 精神分析モデル(うつ病のメタ心理学;抑うつの原因;うつ病患者(主体)の倫理)
第5章 うつ病の未来、うつ病者の将来(うつ病とその未来;うつ病者とその将来;うつ病をめぐる論議)
著者等紹介
ケレール,パスカル=アンリ[ケレール,パスカルアンリ] [Keller,Pascal‐Henri]
臨床心理士、パリ精神分析協会(SPP)に所属する精神分析家。1994年に心理学博士号を取得。2002年には、ローラン・ゴリ、ピエール・フェディダらの推挙により研究指導資格を取得。2005年からポワチエ大学臨床精神病理学科の教授に任命、現在名誉教授。フランス南西部都市ボルドーやポワチエを中心に、臨床実践のみならず教育や啓発活動を続けている
阿部又一郎[アベユウイチロウ]
1999年、千葉大学医学部卒業、精神科医。2008年、フランス政府給費生として渡仏して臨床研修。2011年、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了(医学博士)。現在、伊敷病院勤務、東京医科歯科大学、東洋大学非常勤講師
渡邊拓也[ワタナベタクヤ]
2012年、フランス国立社会科学高等研究院修了(Ph.D)。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(文学博士)。専門領域は社会病理学、社会史、地域社会学。現在、大谷大学文学部准教授
井原祐子[イハラユウコ]
2013年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、パリ西大学ナンテール・ラ・デファンス校人文社会科学部卒業。聖アントワーヌ病院精神科にて臨床研修。現在、東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース修士課程在籍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 経理部員の基礎知識