出版社内容情報
歴史的・文化的に多様な宗教現象をどうとらえればよいのか。現代社会における影響力、各国の治安対策についても解説。
歴史的・文化的に多様な宗教現象をどうとらえればよいのか、現代社会においてもなお影響力を有しているのはなぜか、各国の治安対策にはどのような特徴があるのか、その問いに答える。
内容説明
社会の治安を乱し、人びとが不安を覚える宗教集団はあらゆる時代や場所に見出される。キリスト教もその誕生期、アジアでの布教の際は弾圧を受けた。歴代のさまざまな戦闘的なセクトを紹介し、現代社会に及ぼす影響を解説。また、現代の動向とともに各国における対策を紹介。キリスト教からオウム真理教まで広範囲を網羅。
目次
第1章 歴史のなかのセクト運動(キリスト教;キリスト教の分裂;キリスト教以外の宗教における分裂;戦闘的タクト;二十世紀における宗教情勢の変化)
第2章 近代の産物としてのセクト(個人;共同体主義的な集団の盛衰;資本主義の産物としてのセクト)
第3章 問題宗教団体の公的管理―不可能な国家の中立性(逸脱行為を取り締まることの難しさ―いくつかの失敗例;セクトに対峙するヨーロッパ)
著者等紹介
伊達聖伸[ダテキヨノブ]
1975年生まれ。東京大学卒業。リール第三大学大学院博士課程修了(パリ高等研究院との共同指導)。現在、上智大学外国語学部フランス語学科准教授。専門は宗教学、フランス語圏地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちり
1
“人を操作するとは「誰かに何かをさせる事」で、それは昔から続いてきたことだが、従来は公認された位階制が規定する明白な秩序に基づいていた。それにとって代わったのが、「操作する側がやらせたいことを、操作される側があたかも自発的で自律的に決定したかのように、自分自身でするように仕向ける実践」である/操作は「もはや位階制の様式では押しつけられなくなったものを、表面上は自発的にやらせるために、臆面なく真正さに訴えることにより、『自発的な隷属』を促す道具」であると言える。”2022/07/25
はずはる
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豊富な具体例と、時間空間を縦横する柔軟な比較の視点によって、セクトについて考察する本。日本の例も鎌倉時代の各宗教運動から豊臣秀吉によるキリスト教弾圧、オウム真理教まで、馴染みのある材料が取り上げられていて、ふむふむと思いながらするする読めた。2015/01/29
お魚くわえたザサエさん
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イスラム国やオウムなどが発生するメカニズムを深く知ることができる良書。2014/12/10