出版社内容情報
文学・絵画・音楽における一大運動であると同時に、歴史学・社会思想の領域でも新たな模索の潮流だったロマン主義を詳説。
内容説明
特徴と多面性、それ以前の時代潮流との差異、その後の世代に与えた影響などについて記述。ロマン主義は美学と思想に根本的な変革をもたらした。歴史家は歴史の流れの方向性について思索し、社会主義者はより良い社会組織を構想し、思想家はより時代の要請に合った宗教と社会の関係性を探究した。
目次
第1章 人物
第2章 概念と思想
第3章 主題とイメージ
第4章 美学と芸術
第5章 歴史的事件
第6章 空間
著者等紹介
小倉孝誠[オグラコウセイ]
1956年生まれ。1987年パリ第4大学文学博士。1988年東京大学大学院博士課程中退。現在、慶應義塾大学文学部教授。専門は近代フランスの文学と文化史
辻川慶子[ツジカワケイコ]
1973年生まれ。2005年京都大学大学院博士課程単位取得退学。2007年パリ第8大学文学博士。現在、白百合女子大学講師。専門は十九世紀フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
14
辞書的な構成だが、決して入門書ではなく、かなり踏み込んでいる。筆者が文学・思想史の専門家であるので、特に社会主義思想家ピエール・ルルーの名前があちこちで出てくるのが特徴的。ロマン主義はあまりに広大で、統一的な定義を示すのが難しいため、このような単語ごとの構成があっているように思う。特に、「社会主義」「フェミニズム」「自然」「結婚」などの「概念と思想」についてそれぞれロマン主義との関わりを整理する箇所は、この運動の全方位性が見えてきて勉強になる。ロマン主義が欲望を向ける七つの虚構の実態(高揚をもたらす物)。2020/06/24
Royalblue
12
フランス文学に精通、乃至ロマン主義に関聯した、ある程度の予備知識を備えていることが前提での入門書。付随的に絵画、音楽の項目も設けてあるが、それはほんの一部で、主体となるのはフランス文学の潮流としてのロマン主義であり、その出典も多い。革命の街パリにて反動的に精神を具現した文人たちに興味がある人、若しくは読書に対する欲求を恐ろしく掻き立てたいという人にはオススメ。2016/07/14
星規夫
1
このシリーズ、面白いな……。2012/11/28
バーニング
0
読書会で使用。辞書的には使えるしそれなりには面白かったが、初学者にはとうていわかるところまでは到達できず。2013/02/17
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