出版社内容情報
SFの誕生と変遷を、英米仏を中心に紹介。宇宙、時間、ロボット、クローンなどのテーマごとに作品を紹介した読書案内。
内容説明
ガーンズバックからダン・シモンズまで、さらに日本では未邦訳の作家にいたるまで一挙に紹介。サイエンス・フィクションの誕生と変遷について、アメリカ、イギリス、フランスを中心に解説する。宇宙、時間、ロボット、クローンなどのテーマごとに作品紹介した、詠みたくなる読書案内。
目次
はじめに ジャンルの誕生と定義(定義の素描;SF、想像の文学;ひとつの定義から別の定義へ;センス・オブ・ワンダー)
第1章 ジャンルの起源(前史;先駆者たち;SFジャンル創設の父)
第2章 SFの地理学(アメリカにおけるSF;イギリスにおけるSF;フランスにおけるSF;他の国々のSF)
第3章 SFの主要テーマ(宇宙;時間;機械;異世界、異次元;改造人間)
結び SFがはらむ問題点(SFと文学;サイエンスとサイエンス・フィクション;SFとファンタジー)
著者等紹介
新島進[ニイジマススム]
1969年生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒、同大学院修士課程およびレンヌ第二大学博士課程修了。現在、慶応義塾大学准教授。専攻は近現代フランス文学(レーモン・ルーセル)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒダン
16
SFの発展を歴史・地理・テーマなどの観点からたくさんの作者名、作品名を挙げてまとめている。そこそこの情報量をすごくコンパクトに詰め込んでいる。聞いたことある作家ですら半分に満たず、読んだことある人だとさらにその半分くらいで、まだまだ面白い本に出会えるのだろうなと期待が膨らむ。特にフランスSFは全然知らなかった。余り翻訳されていないのだろうか。10ページに一回くらい、このくくりの中でもこれは傑作とリマークされる作品があり、それですら読んだことがなかったので読んでいきたい。2018/04/26
亮人
6
フランス産のSF入門書。SFの起源、米英仏でのSFの歴史、サブジャンル別解説、が一通りさらっと触れられている。特にフランスSFについてはあまり知られていないので非常に興味深かった。フランスでも「SF冬の時代」があったり(笑。日本未訳作品がフランスで刊行されていたり、各国の翻訳事情・傾向の違いも分かりおもしろい。2011/03/28
すけきよ
6
SF変遷の概説にしてもちょっと薄いかなぁ。物理的にページ数が薄いからしょうがないけど。作者がフランス人のため、当然フランスの作品に多く言及されていて、未訳だらけで欲求不満になる。サンリオSFが潰れなかった並行世界から出たガイドブックだと思えば面白い(なにそれ)2011/03/18
owlsoul
5
ジャズがそうであるのと同じく、SFに対して愛好家を自称するのは、それなりの勇気がいる。その敷居の高さが憧れを誘うのだが、SF業界の歴史は、そんな熱烈な愛好家の力によって支えられてきたといっても過言ではない。それは例えば、「サイエンス・フィクション」の名付け親とされるヒューゴー・ガーンズバックにちなんだSF文学賞(ヒューゴー賞)が、ファン投票によって選ばれるということからも感じられる。SFパルプ雑誌という特殊な媒体を長きにわたり買い支え、独自の文化圏を築き上げた好事家たちには頭の下がる思いだ。2022/08/19
スターライト
5
2003年に出されたフランス人によるSF小説についてのコンパクトなガイドブック。SF小説の誕生やアメリカ・イギリス・フランス等の各国のSFについて、そして宇宙・時間・機械といったSFの主要テーマについて概説している。すでに指摘されていることだが、文中に誤りが多く、また短篇や「」で長篇は『』でといった慣例となっている表記がなされていなかったり、未訳にも仮題がつけられているのはいいものの原題をつけることで既訳との区別をつけるといった配慮がなされていないため、興味を持った読者が作品を読もうとしても役にたたない。2011/05/15