内容説明
ソポクレス、セネカから説きおこし、ベケットを経てコルテスまでの西洋演劇の流れを、フランスを中心に解説。演劇と社会の繋がりという切り口から、社会の変遷のなかで演劇をとらえる。西洋演劇史を通観できるすぐれたガイド・ブック。
目次
第1章 古代の遺産
第2章 中世演劇
第3章 前期近代における演劇制度
第4章 継承と変化、啓蒙から革命へ
第5章 後期近代初頭における演劇の矛盾
第6章 第三共和政期の演劇―革新と公認
第7章 今日の演劇の遍在性
エピローグ―別の歴史
著者等紹介
高橋信良[タカハシノブヨシ]
1962年生。中央大学大学院文学研究科博士課程満期退学。千葉大学言語教育センター准教授。フランス演劇・日仏比較演劇専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅん
12
フランス中心という視点が入る分、まとまりがあって読みやすい。入門書としては専門性が少し高い気もするが、民衆や国家などの社会的要素と演劇の関連性に言及しながら時間を進めていくから立体的な理解が得られる。古代ローマから中世の歴史や、戯曲と上演の二重性の誕生の経緯など、興味深い箇所も多い。キリスト教と演劇のアンビバレントな関係(排斥しながら同時に宗教劇として活用する)は、西洋社会を大きく考える上でも重要なファクターではないだろうか。2018/03/11
gu
2
「照明技術の登場が演出家という職業を生んだ(大意)」という気付きを得た。翻訳の文章が少なからず引っかかるが。2024/01/10
もじゃ
1
フランス演劇の歴史。初心者にもわかりやすく書こうとしているとは思う。それでも専門用語は散見。エピローグをまた読み返したい。2014/10/12
星規夫
1
西欧(フランス中心)の演劇史。たくさんの知識が簡潔にまとめられている。読みやすい本だった。次は、もう少し詳しいものを読みたい。2012/09/19
大根
1
演劇の歴史というより、社会の変化と演劇を巡る変化について。筆者の視点は学んでおくべき。2009/06/04