内容説明
モネ、セザンヌ、ルノワール、そして、ゴッホ、ゴーガン…印象派という名のもとにまとめられる多様な個性をもつ画家たちの生涯を、具体的な作品を織り込みながら紹介する。印象主義の草創期から後期印象主義までを簡潔に解説した、入門書の決定版。カラー図版収録。
目次
第1章 新絵画の誕生、一八五九年から一八七三年(一八五九年のサロン;グレールのアトリエ;落選者展 ほか)
第2章 印象派展の時代、一八七四年から一八八六年(一八七四年の第一回展;アルジャントゥイユ;新しい蒐集家たち ほか)
第3章 後期印象主義(新印象主義;パリのファン・ゴッホ;トゥールーズ=ロートレック ほか)
著者等紹介
武藤剛史[ムトウタケシ]
1948年生。京都大学大学院博士課程中退。フランス文学専攻。共立女子大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroshi
5
西洋美術史において19世紀後半に印象派が現れ、ルネサンス以来の技術(遠近法・明暗法・肉づけ法)が崩れ、近代・現代絵画への道が開いていく。1860年代の始めにパリで生まれ印象派を20世紀初頭のフォーヴィズム・キュビズム、抽象絵画の誕生まで追っていく本。画家だけではなく応援者までを追う。印象派は筆触分割の技法で明るい絵を素早く仕上げる。この方法はマネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、ベルト・モリゾが取り入れた。当時のサロンはルネサンス以来の技法を重視していた。新しい技法で立ち向かう者全てを印象主義と広く含める。2023/08/21
摂津の鰻。
5
印象派の歴史がよくわかって、面白いなと思いました。2020/02/13
智
3
原田マハさんの「たゆたえども沈まず」を読んでファン・ゴッホに興味を持ち手に取ってみた。 印象派・後期印象派とはよく聞く言葉だが、その定義はその名のとおり、とても曖昧なものなのだと感じた。2018/07/10
くり坊
1
本書の第三章「後期印象派」から、7節の「美術館に入った印象主義」を読みました。フランスにおける、印象派の作品たちが、さまざまな人々の尽力によって、美術館が買い上げてゆく...認知度が高まってゆく様が垣間見れました。今では有名な作品でも、まだ美術館が、その価値に気が付かない...ということがあるのが、よく分かりました。美術館にある絵とは、古典なのだ...ということが、よく理解できました。2024/01/07
あんず
1
絵画鑑賞に際して知識を蓄えようとこの本を手に取りましたが、まず印象派という画法がある訳ではないということ、そしていわゆる「印象派」と呼ばれる画家たちが離合集散する中で意図せぬ他者の介在も影響しうねりが形成されていく様を生き生きと見て取れました。2018/09/08