エクス・リブリス・クラシックス
スクープ

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560099070
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アフリカの架空の国の政変と報道合戦の狂奔を、辛辣なユーモアたっぷりに描く。巨匠ウォーの初期傑作長篇、待望の本邦初訳。

初期傑作長篇、待望の本邦初訳!
 英国の巨匠ウォーは、代表作『黒いいたずら』、『ピンフォールドの試練』(以上、白水社)をはじめ、ベストセラーとなった『ブライヅヘッドふたたび』など、依然として高い人気を誇る。本書は、アフリカの架空の国の政変と報道合戦の狂奔を、辛辣な諷刺とユーモアたっぷりに描く、初期傑作長篇。本邦初訳。
 新聞で「田園便り」を担当する独身男ウィリアムは、手違いから、突如外国特派員に任命される。派遣されたのは、政変が噂されるアフリカの独裁国家。怪しいスパイや政商が暗躍し、ライバル記者たちが報道合戦を繰り広げるなか、ウィリアムは人生初の恋に落ち、思いがけずスクープをものにするのだが……。
 ウォーは新聞記者としてアフリカに派遣され、実際に報道合戦を体験しており、本書を「ジャーナリズムに対する軽い諷刺」と述べている。一九三八年に発表され、今なお「現代の古典」として不動の地位を占めている作品だ。二〇〇三年、『ガーディアン』紙上で「古今の名作小説一〇〇」に選出され、二〇一四年、『テレグラフ』紙上でも「絶対必読の小説一〇〇」に選出されている。

【著者紹介】
1903~1966年。イギリスの作家。1928年、教師時代の体験を基にした『大転落』を発表。『卑しい肉体』(30)では第一次大戦後の「陽気な若者たち」を取り上げ注目された。『黒いいたずら』(32)、『一握の塵』(34)など、辛辣な諷刺とユーモアに溢れた作品で人気を博す。作風を一転し、貴族の生活を描いた『ブライヅヘッドふたたび』(45)はアメリカでベストセラーとなった。

内容説明

新聞で「田園便り」を担当する独身男ウィリアムは、手違いから、突如外国特派員に任命される。派遣されたのは、政変が噂されるアフリカの独裁国家。怪しいスパイや政商が暗躍し、ライバル記者たちが報道合戦を繰り広げるなか、ウィリアムは人生初の恋に落ち、思いがけずスクープをものにするのだが…。ウォーが「ジャーナリズムに対する軽い諷刺」と述べている本書は、一九三八年に発表され、今なお「現代の古典」として不動の地位を占めている。二〇〇三年、『ガーディアン』紙上で「古今の名作小説一〇〇」に選出され、二〇一四年、『テレグラフ』紙上においても「絶対必読の小説一〇〇」に選出されている。

著者等紹介

ウォー,イーヴリン[ウォー,イーヴリン] [Waugh,Evelyn]
1903‐1966。ロンドン郊外のハムステッドに生まれる。オックスフォード大学では放蕩生活を送りながら学内文芸誌に関わる。大学中退後、画家を志すも断念。パブリック・スクール進学予備校の教師となる。22歳の時、自殺未遂。1928年、教師時代の体験を基にした『大転落』を発表

高儀進[タカギススム]
1935年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

129
イーヴリン・ウォーの作品で現地では非常に評価の高い小説で、ガーディアンの「古今の名作小説100」にも収められているようです。「ブライヅヘッドふたたび」はNHKラジオの教材になったときに読んだことがありますがあまり印象には残りませんでした。この作品も面白いのでしょうが、やはり時代背景とか英国の事情に精通していないと面白みがあまり感じられない気がしました。会話自体は結構楽しく読めますが。2016/03/02

NAO

57
同じ姓の作家と間違えられ戦地特命記者として送り込まれたウィリアム。戦地では、各国の特派員たちが他のどの社よりも早くスクープを手に入れようと血眼になっている。記者によるスクープのでっち上げ、特派員特有の省略電報の読み間違いなど、この作品を読んでいると、記事の信憑性に疑問を感じてしまうほど。母国新聞社と特派員との攻防も、なかなか大変そうだ。舞台は戦地だが、ジャーナリズムを風刺的に描くことに重点が置かれているため戦地の悲惨さを描くつもりはなかったようで、その分明るいコメディになっており、おもしろかった。2016/12/04

キムチ

44
ブート氏といえばあのブートキャンプを思い出すお粗末さ(私の頭の)以前読んだガルガンチュア物語よりはましだけれど、「笑えるレベル」に達せなかった・・とことこ読んだという体たらく。むしろ、昔日の栄光に影が射して行く英国の権威をかさに来ている些か上から目線の「嗤い」が引っ掛かってしまった。黒人共和国イシュメイリアでの政変(エチオピアか?)単純ミスからジャーナリズム合戦の修羅場へ投げ込まれてのすったもんだ、列強のしのぎあい、文明の刃物を持たない斬りあいをかいま感じ取れた。2016/01/04

星落秋風五丈原

44
【ガーディアン必読1000冊】田園便りを書いていた平凡な記者がアフリカの架空国家に人違いで送りこまれた!こんな人違いが起こるとはアナログ時代ならでは。いや本当にそう?ジョン・ブートを推薦されたコパー卿が‘ブート’を派遣すると決めた時には彼のファーストネームも曖昧で著作も読んでいなかった。「首相がベッドに置いている(読んでいるとは限らない)」「文体が素晴らしい」などという社交界の噂を真に受けての人選。槍玉に挙げられているのは「人の本質を見極めないで上っ面で動くセレブ」「売れれば何でもいいジャーナリズム」。 2015/06/21

R

21
人違いでアフリカに送り込まれたコラム書きがスクープを拾って帰還するお話でした。ふんだんに当時のジャーナリズムを皮肉っているとのことですが、今現在の報道にも当てはまりそうな内容が含まれていて面白く読めました。終始ドタバタして、軽妙で軽薄なやりとりばかりで話が進むけども、人が死ぬわけでもなく、悪辣な事件が起こるわけでもなく、なんだか大団円という感じで読後感がすっきりしていました。2016/05/18

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