出版社内容情報
ここからはじめる『失われた時を求めて』
今年で生誕150年を迎えるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』は、多くの人にとって「いつかは読んでみたい」「途中で挫折したけれど、もう一度挑戦したい」小説のひとつでしょう。3000ページからなり、500人の登場人物がいるこの作品を、プルースト自身は大聖堂に喩えています。圧倒的な大きさ、この上なく精緻な細部に、躊躇したり、読む気をなくしたりするのは無理もないことかもしれません。
この本の目的はただひとつ、そうした先入観を払拭することにあります。著者は斬新でわかりやすい3段階のアプローチで『失われた時を求めて』への扉を開いてくれます。まず、プルーストとはどういう人物だったのかを確認します。そして、厳選した引用をちりばめて基本的な登場人物たちを紹介しながら、なぜプルーストを読むのかということについて、12の理由から考えていきます。最後に「花咲く乙女たちのかげに」の断章の分析を試みることで、プルーストの書き方の特徴にふれます。巻末には訳者による固有名詞索引や関連年表をつけました。
そっと背中を押すように、この本はきっとあなたを『失われた時を求めて』の世界へと連れていってくれることでしょう。
内容説明
『失われた時を求めて』を読みたいと思っている人に捧げる斬新でわかりやすいアプローチ。
目次
第1部 マルセル・プルーストとはどういう人間だったのでしょうか(家族;幼年時代と思春期;バカロレアを終えて;若き作家;個人的な悲しみ(二十世紀初頭) ほか)
第2部 なぜプルーストを読むのでしょうか(読書という経験を深めるために;要約するより読むほうが楽だから;実際よりもほんとうらしく見える登場人物と出会うために;人は誰でもいくらかはスノッブだから;誰もが時を失いたくないから ほか)
第3部 そう、プルーストは読めない作家ではありません(プルーストの書き方を理解する)
著者等紹介
ピション,ファニー[ピション,ファニー] [Pichon,Fanny]
パリ高等師範学校を卒業。近代文学のアグレジェ(リセ・大学の教授資格取得者)。パリ近郊のリセ・ルイーズ・ミシェル・ド・ボビニーで教鞭を執る
高遠弘美[タカトオヒロミ]
明治大学商学部教授、フランス文学者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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