出版社内容情報
英語×経済=innovation!
英雄的な企業家による「イノベーション」から資本主義の崩壊過程まで、20世紀を代表する天才経済学者シュンペーターの人気には絶大なものがある。
それにもかかわらず、「イノベーション」や「創造的破壊」といった言葉が一人歩きして、彼の思想や学説が正確に伝わっているとは言い難い。
本書は、シュンペーターによって経済学の世界に導かれ、その主著『経済発展の理論』(1912年)の「重要な箇所はすべて原文で頭に叩き込まれている」著者が、原典講読を通じてシュンペーターに迫った決定版である。
シュンペーターの理解には、イノベーションの前提となる「静態」と「動態」という2つの世界、企業家を支えすべてのリスクを取る「銀行家」など、彼独特の資本主義観をつかまない限り、不可能である。本書では丁寧かつ正確にその全容を捉えていく。
「英語原典で読む」シリーズは、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』に続き、本書で3冊目となる。「学問に王道なし」。著者が繰り返し強調してきた言葉だ。その厳しさの反面、理解できたときの喜びは大きい。生き方にイノベーションを起こす精読への旅。
内容説明
英雄的な企業家によるイノベーションから資本主義の崩壊過程まで、20世紀が生んだ天才経済学者の原典を味わう。人気講義第三弾。
目次
第1章 日本語版への序文
第2章 「静態」の世界
第3章 経済発展の根本現象
第4章 イノベーションとは何か
第5章 企業家とは誰か
第6章 企業家とは誰か(承前)
第7章 経済はいかに発展するのか
第8章 失われた一章
第9章 ワルラス高評価に隠れたもの
第10章 資本主義をどのように捉えるか
第11章 ケインズへの尊敬と羨望
著者等紹介
根井雅弘[ネイマサヒロ]
1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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