記憶の箱舟―または読書の変容

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記憶の箱舟―または読書の変容

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560097014
  • NDC分類 019
  • Cコード C0095

出版社内容情報

記憶と書物を結ぶ糸をたどって

 書物の出現に始まる「読書」という営為と「記憶」という精神の働きの間にはどのような歴史が刻まれてきたのだろうか──本書は西欧の古代・中世、そして日本は江戸・明治を中心に書物のかたちの変遷(特に西欧中世における「索引」の誕生に注目)と、それに伴う読書のかたちの変容(音読から黙読へ)を「記憶」を縦糸とした文化史として跡づける試みである。日本においては、江戸に行われて明治まで続いた「素読」(音読)が文字(漢字)と音を意味以前に記憶として心身にしみこませるメソッドであった消息を明らかにし、ついで庶民による草双紙の読まれ方、書物に向けられた儒者・漢詩人の深い愛、あるいは翻訳小説『あひびき』の文体が読書人に与えた驚き等、読書の変容を豊富な逸話を交えて辿った後、西行が月蝕の歌に詠み込んだと思われるある秘義に迫り、地名に執着した柳田国男と「記憶術」の意外な関連に及ぶ。西欧においては、修道士の読書がいかに瞑想と記憶に結びついていたかを探り、聖書と索引誕生の知られざる関係を解き明かし、さらには魂の探求を続けたアリストテレス、アウグスティヌス、ベルクソンの思索を通じ、あらためて「読書」という経験の深さを読む者の心に呼び起こす。

内容説明

書物の変遷と読書の変容。さらに両者の織りなす記憶という人間精神の多様ないとなみを、東西の知の歴史に重ね合わせた綺想の文化史。

目次

1 最初の読書体験
2 比類なき記憶のもたらした幸と不幸
3 読書の変容―素読から草双紙を経て近代読者の成立まで
4 中世ヨーロッパ修道院における読書法
5 索引の誕生
6 記憶術とは何か
7 西行 月の記憶
8 柳田国男 地名の記憶

著者等紹介

鶴ヶ谷真一[ツルガヤシンイチ]
1946年東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業。編集者として主に翻訳書の編集にたずさわる。著書に『書を読んで羊を失う』(白水社、日本エッセイスト・クラブ賞、増補版は平凡社ライブラリー)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきあかね

27
 古代ギリシア以来、連綿と続く記憶術の系譜。あらゆる漢字を画像に変えて記憶に刻みつけた明代のイタリア人宣教師マテオ·リッチ、老年になり頼朝に謁見した際に四十余年のあいだ封印していた武士の奥義を伝えてみせた西行、村々のレベルまで全国の地名や地形等が頭に入っており初対面の相手を驚かせた柳田国男など枚挙に暇がない。 かと言って本書は単に古今東西の記憶術の逸話を並べるだけではなく、本を読むという精神の営みによって記憶と想像力とが豊かになってきた歴史を浮かび上がらせる。インターネットの加速度的普及によって情報が⇒2020/03/13

デビっちん

16
漢文の素読に始まり、黙読、索引の誕生と、読書における読み方の変化を追いつつ、そこに記憶との関係が絡まります。現代はネット検索で事足りるため記憶の重要性が蔑ろにされつつありますが、記憶があるから検索もできるし、思考することもできることを確認しましょう。2019/09/05

チェアー

13
密度の濃さに圧倒される。プラトン、アウグスティヌス、儒者、詩人、柳田国男…読むこと、暗唱すること、記憶を定着させることが、それぞれの思想にどう関係したかを解き明かす。確かにネットの普及で記憶の重要度は低下している。だけど、記憶がなくて考えることはできるのか。記憶をなくしているから歴史を改ざんされたり、記録を改ざんされてもなんとも思わなくなってるんじゃないのかなあ。丸暗記するべきものはたくさんある。そこからしか芽生えてこない思想はあると思う。2019/07/26

izw

10
お盆の帰省中に読み始め、貸出期限が過ぎているので半分まで読んで今日返そうと思っていたのだが、あまりに面白く最後まで読み続けてしまった。読書と記憶の関係について膨大な資料の中を行きつ戻りつ考察している。日本では漢文の素読から、中世ヨーロッパ修道院の読書と瞑想について、句読点と分かち書きから黙読への変化、聖書の四福音書の同じ事柄の共観表から索引(インデックス、コンコーダンス)の成立、記憶術について述べた後、西行、柳田国男の記憶力について紹介している。記憶への礼賛であり、インターネット上の検索への批判でもある。2019/08/18

とりぞう

1
論考でなくエッセイ風な作品。著者に興味を持っている人には面白いのかもしれない。どこかの書評でみて手にとった本だけど、ぼくには面白く感じられなかった。2021/06/28

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