見ることは信じることではない―啓蒙主義の驚くべき感覚世界

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560096895
  • NDC分類 230.5
  • Cコード C0022

出版社内容情報

啓蒙主義時代は「理性」だけの時代ではなかった

 いわゆる「長い18世紀」(1630年~1830年)に、ヨーロッパでは、新大陸をはじめとする世界中から、新たな食材、香辛料や香料・顔料が持ち込まれ、さまざまな新技術・新理論が誕生した。それらに刺激されて、著作家、芸術家、哲学者、医師、そして市井の人々までもが、新たな感覚刺激とその可能性に魅了され、精神と肉体の関係について議論した。その当時、人々の五感の使い方、そして価値観はどう変わったか。啓蒙思想家たちは、視覚のみならずあらゆる身体感覚および「内的」感覚を駆使して、世界をどう捉えなおし、社会を改良しようとしたか。 
 それまでさげすまれていた盲人の地位向上と盲学校の誕生、おならを芳香にする薬の研究、18世紀式“アロマテラピー”、知識人のあいだでゾウ肉やネズミ肉など珍奇な肉料理が流行したわけ……。数々の試みは、ときに偏見や迷信を打破し新たな世界を切り開く一方で、ときに現代から見れば?然とするような発想や新たな偏見へとつながった。五感(と、当時、第六・第七…と考えられた感覚)の使われ方から見る、新しい文化史。

内容説明

五感の新たな活用を通して世界をとらえなおし、社会の改革をめざした人々。盲学校の誕生、おならを芳香にする薬、18世紀式“アロマテラピー”、ゾウ肉やネズミ肉など珍奇な肉料理が流行したわけ…。さまざまな試みや社会現象と、その背後にある思想を見る。

目次

第1章 自分で自分を作る―啓蒙主義時代の「天才」の作り方
第2章 新しい飲み物で、新しい自分になる―カフェでの自己投薬、感受性、交際
第3章 音の世界で生きる―パリの闇に沈む市場
第4章 有用な市民になる―盲目の(そして、目隠しされた)子供たちの才能
第5章 尻に煙を吹き込む―匂いの医学と有用な科学
第6章 感覚とは何か―セックス、自己保存、快楽、そして苦痛
第7章 ハーモニーを奏でる自然―猫ピアノ、色彩チェンバロ、匂いと味の音階
第8章 洒落男を気取る―人気顔料の政治学
第9章 美食家のまなざし―革命後の時代の「目で食べる」行為
第10章 自然を消化する―十九世紀イギリスのエキゾチックな動物試食クラブ
エピローグ 見ることは信じることではない

著者等紹介

パーネル,キャロリン[パーネル,キャロリン] [Purnell,Carolyn]
アメリカ・テキサス州出身の歴史家・インテリアデザイン評論家、専門は十八世紀科学史・色彩史。シカゴ大学でPh.D.取得、イリノイ工科大学などで歴史教育に携わる。『見ることは信じることではない―啓蒙主義の驚くべき感覚世界』がはじめての著作である

藤井千絵[フジイチエ]
通訳・翻訳家。京都大学文学部、大阪外国語大学外国語学部卒業、インペリアル・カレッジ・ロンドン修了(MSc in Scientific,Technical and Medical Translation with Translation Technology)。翻訳会社の社内校正者・翻訳者としての勤務を経て、現在、「ちえのわ言語サービス」代表(英語、スペイン語)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Lieu

1
「理性」の時代である十八世紀ヨーロッパの、あえて「五感」について論じた博覧強記本。肩の力を抜いて読める。コーヒーが知識人たちに直接、間接に及ぼした影響はあったんだろうな、とは以前から思っていたが、ヴォルテールが一日に四十杯もコーヒーを飲んでいたとは。飲料としての当時のチョコレートがどういうものかよくわからなかったが、この本を読んでよくわかった。2020/01/29

ひろゆき

0
啓蒙主義の時代に人がどのように物を感じ取ろうとしていたかの歴史の本。記録に基づいて好奇心、冒険心に溢れすぎた人々の行動を紹介。その数が圧倒的で、よくここまで著者がまとめた、と思う。笑える部分、多数。あくまで歴史の本で、総括的な解釈は無理にしていない。2020/04/07

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