出版社内容情報
移民排斥運動からラディカルデモクラシーまで、現代デモクラシーの基本条件としてポピュリズムを分析した記念碑的著作。ポピュリズムの時代を生きる
ヘイトスピーチからブレグジット、トランプ米大統領の当選まで、世界を覆いつつある排外主義は、現代を生きるわれわれ一人ひとりの心の中をも蝕もうとしている。
鍵概念として急浮上しつつあるのが「ポピュリズム」であることに異論の余地はあるまい。
その歴史は少なくとも、19世紀末のアメリカの人民党にさかのぼり、第二次大戦後のアルゼンチンのペロン大統領の輝かしい記憶、そしてラクラウやムフが創始したラディカル・デモクラシーとの連関など、ラテンアメリカ研究を揺りかごに豊穣な世界を築いてきた。
本書ではこの概念を、〈社会が究極的に「汚れなき人民」と「腐敗したエリート」という敵対する二つの均質な陣営に分かれると考え、政治とは、人民の一般意志を表わすものであるべきだと論じる〉イデオロギーと定義する。
こう定義することで、その輝ける伝統も、昨今の悲しい排外主義の外貌を纏った現象形態も中立的に説明することが可能になる。加えて、この思想と運動が、「一般意志」の実現を掲げている点で元来「民主的」であるとしている点は非常に大きい。
ポピュリズム研究の決定版! 森本あんり氏、水島治郎氏推薦!
カス・ミュデ[ミュデ]
著・文・その他
クリストバル・ロビラ・カルトワッセル[カルトワッセル]
著・文・その他
永井 大輔[ナガイ ダイスケ]
翻訳
?山 裕二[タカヤマ ユウジ]
翻訳
内容説明
移民排斥運動からラディカルデモクラシーまで、現代デモクラシーの基本条件としてのポピュリズム。
目次
第1章 ポピュリズムとは何か
第2章 世界中のポピュリズム
第3章 ポピュリズムと動員
第4章 ポピュリズムの指導者
第5章 ポピュリズムとデモクラシー
第6章 原因と対応
著者等紹介
ミュデ,カス[ミュデ,カス] [Mudde,Cas]
ジョージア大学国際関係学部准教授。1998年にライデン大(オランダ)で政治学の博士号を取得後、エディンバラ大(スコットランド)助教授、アントワープ大(ベルギー)准教授などを歴任。2014年から現職。著書のなかで、Populist Radical Right Parties in Europe(Cambridge,UK New York:Cambridge University Press,2007)は、国際社会科学協議会(International Social Science Council)などが主催する優れた社会科学研究に贈られるスタイン・ロッカン賞を受賞
カルトワッセル,クリストバル・ロビラ[カルトワッセル,クリストバルロビラ] [Kaltwasser,Crist´obal Rovira]
ディエゴ・ポルタレス大学(チリ・サンティアゴ)政治学部准教授。2008年にベルリン・フンボルト大(ドイツ)で政治学の博士号を取得後、サセックス大(イギリス)でリサーチ・フェローなどを務めたのち、2013年から現職。単著の他、ミュデとの編著などがある
永井大輔[ナガイダイスケ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2003年から05年まで英オックスフォード大学に留学。法政大学および武蔵大学兼任講師。専門は十九世紀アイルランド史
高山裕二[タカヤマユウジ]
1979年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。明治大学政治経済学部准教授。専門は政治学・政治思想史。『トクヴィルの憂鬱』(白水社)で渋沢・クローデル賞、サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瀬希瑞 世季子
spanasu
ざっきい
taming_sfc
あ