出版社内容情報
モダニティと超現実の出会い
ベンヤミンはかつてパリを「19世紀の首都」と名づけ、モダニズムの前史を見いだそうとした。本書はその精神を引き継ぎ、プラハを「20世紀の首都」と位置づけ、ポストモダンの目覚めをそこに読み解く。
20世紀を通じ、プラハは世界でも他に例を見ないほど、「超現実的」なまでにさまざまな政治的・地理的変動を経験した。文化的には、パリに次ぐシュルレアリスム第2の中心として、「モダニストたちの夢がある時代を謳歌し、そしてふたたび破綻していった場所」であったが、カフカ『訴訟』や『城』、ハシェク『善良なる兵士シュヴェイクの冒険』、フラバル『あまりにも騒がしい孤独』、クンデラ『可笑しい愛』といったアイロニーや不条理に満ちた世界文学を代表する傑作が生まれ、さまざまな芸術潮流が交錯する場でもあった。
詩や小説の抜粋、回想録、書簡、論考、インタビューなどをコラージュのように随所に織り込む巧みな語りによって、中欧の都に花開いた文学、美術、音楽、写真、演劇、建築、デザインにいたるまで、多岐にわたるジャンルを軽やかに横断する。従来のプラハ論とは一線を画す、刺激的かつ画期的論考! 図版多数。
デレク・セイヤー[セイヤー]
著・文・その他
阿部 賢一[アベ ケンイチ]
翻訳
宮崎 淳史[ミヤザキ アツシ]
翻訳
河上 春香[カワカミ ハルカ]
翻訳
内容説明
モダニティと超現実の出会い「ヨーロッパの十字路」として、幾多の変容を経てきたシュルレアリスティックな都市プラハ。中欧の都に花開いた文学、美術、音楽、写真、演劇、建築、デザインなどあらゆる文化を網羅し、「20世紀の首都」として新たに位置づける画期的論考。
目次
1 星型の城が開いてくる
2 ゾーン
3 変身
4 複数形のモダニズム
5 ボディ・ポリティック
6 深淵のきわで
7 愛の小舟は生活に打ち砕かれ、粉々になってしまった
8 時の黄金
著者等紹介
セイヤー,デレク[セイヤー,デレク] [Sayer,Derek]
1950年、英国ケント州生まれ。エセックス大学、ダラム大学で社会学を学ぶ。グラスゴー大学、カナダのアルバータ大学で教鞭を執ったのち、英国ランカスター大学で文化史を講じる。現在、アルバータ大学名誉教授としてカナダを拠点に研究に従事。アメリカ歴史協会主催のジョージ・L・モス賞、チェコ文学研究所主催のF・X・シャルダ賞を受賞したほか、2013年『フィナンシャル・タイムズ』紙の「ベスト・ヒストリー・ブックス」に選出された
阿部賢一[アベケンイチ]
1972年生まれ。東京大学准教授。専門は中東欧文学、比較文学。著書、共編著、訳書P・オウジェドニーク『エウロペアナ二〇世紀史概説』(白水社、共訳、第一回日本翻訳大賞受賞)などがある
河上春香[カワカミハルカ]
1988年生まれ。大阪市立大学大学院後期博士課程単位取得退学。大阪市立大学都市文化研究センター(UCRC)研究員。専門は視覚文化論、シュルレアリスム研究
宮崎淳史[ミヤザキアツシ]
1979年生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。東京工業大学非常勤講師。専門は中東欧美術史、文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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