出版社内容情報
ヒトラーの命令で、ヒムラーとハイドリヒが計画・推進した「タンネンベルク作戦」。検察記録を元に全体像を再構成したドキュメント。「第二次大戦の発火点」の真相を糾明
1939年9月1日、ヒトラーがポーランド侵攻を命じた理由としたのが、8月31日、「グライヴィッツ放送局」をポーランド側が襲撃した事件であった。しかしこれは、ヒムラーやハイドリヒが計画した「捏造事件」であり、自作自演の襲撃であった。本書は、「第二次大戦の発火点」となったこの事件を中心に、「ホーホリンデン税関」、「ピッチェン営林署」への同様の事件の全体像を、戦後に西独検察が行った尋問調査を元に再構成した、迫真のドキュメントだ。
元ニュルンベルク裁判米次席検察官、ロバート・ケンプナーは、「本書には大きな歴史的意義がある。証言を通じて本書が初めて明らかにしたことは、いかにヒトラーが、ヒムラーとハイドリヒの助けをかりて、第二次大戦開始の口実とするための行動を命じたか、という点である」、と「緒言」で述べている。本書はまさに、ヒトラー体制の本質が見える、これら事件の真相を明らかにした記録といえるだろう。
著者のシュピースは元西独地方検事正、リヒテンシュタインはケルンの「西ドイツ放送」の現代史関係の編集者。付録(ニュルンベルク裁判記録など)と図版・写真収録。
アルフレート・シュピース[シュピース]
ハイナー・リヒテンシュタイン[リヒテンシュタイン]
守屋 純[モリヤ ジュン]
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学講師。国際関係史専攻。著書:『独ソ戦争はこうして始まった』(中央公論新社)『国防軍潔白神話の生成』(錦正社)『近代日本とドイツ』(共著、ミネルヴァ書房)『ヒトラーと独ソ戦争』(白帝社) 訳書:ユ―バ―シェア『総統からの贈り物』(錦正社)ドィッチュ編『ヒトラーが勝利する世界』(学研)グランツ『詳解独ソ戦全史』(学研)ゴシュト二―『スターリンの外人部隊』(学研)マーザー『独ソ開戦』(学研)ゲルリッツ『ドイツ参謀本部興亡史』(学研)シュトレビンガー『赤軍大粛清』(学研)
内容説明
ヒトラー体制の本質が見える、「第二次大戦の発火点」の真相を糾明。「開戦の口実」とするための行動をヒトラーから命じられ、ヒムラーとハイドリヒが計画・推進した「タンネンベルク作戦」。西独検察による尋問記録を元に、謀略の全体像を再構成した、迫真のドキュメント。付録、地図・写真収録。
目次
第1部 「総統は開戦理由を必要としている」―偽襲撃事件の計画立案(ヒトラーからの指示―ヒムラーとハイドリヒによる検討;一九三九年八月八日のベルリンでの準備会議 ほか)
第2部 「よろしい、では君は彼を私服で手に入れるのだ」―「缶詰」として囚人を用意(ゲシュタポ局長ミュラーによる準備措置;ザクセンハウゼン強制収容所からの囚人の移送(「缶詰」行動) ほか)
第3部 「君はまったく気が狂っている」―出撃地点への各隊の配置と保全措置・一九三九年八月二五日のホーホリンデン隊の早すぎた決行とその結末(グライヴィッツで隊長ナウヨックスのとった措置;ホーホリンデン隊とピッチェン隊の出撃地点への進出 ほか)
第4部 「祖母死す」―「アガーテ」偽襲撃(グライヴィッツ放送局;ホーホリンデン税関 ほか)
著者等紹介
シュピース,アルフレート[シュピース,アルフレート] [Spiess,Alfred]
元西独デュッセルドルフ地検検事正
リヒテンシュタイン,ハイナー[リヒテンシュタイン,ハイナー] [Lichtenstein,Heiner]
ケルンの「西ドイツ放送」の現代史関係の編集者
守屋純[モリヤジュン]
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学講師、国際関係史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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