インド外交の流儀―先行き不透明な世界に向けた戦略

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インド外交の流儀―先行き不透明な世界に向けた戦略

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  • サイズ 46判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560094709
  • NDC分類 319.25
  • Cコード C0031

出版社内容情報

現職のインド外相がその「手の内」を明かす

 本書は、台頭著しいインドがどのような外交を展開していくのか、そして変貌する世界の中でどのような役割を果たしていくのかについての見取図を示したものである。著者は、インドの現職外務大臣(2019年の第二次モディ政権発足時に就任)。もともと外交官としてインド外務省で駐米大使や駐中国大使をはじめ要職を歴任し、事務方トップの外務次官を務めた。
 本書では、多極化する世界の中で国益を冷徹に追求するとともに国際的地位の向上をめざし、国際社会との調和を図っていくというインド外交の要諦が明確に論じられている。ときに叙事詩『マハーバーラタ』を援用して、友好と競争が併存する国との接し方や二国間関係のパワーバランスを変えるための外部要因の活用法など含蓄に富んだ外交論を展開する一方、日米豪が推進する「インド太平洋構想」に対していかに関わっていくかについても別途一章を立てて詳述する。「インドならではの手法」とは何か――現代インドの政治・外交に内在する論理・思考を理解するための必読書だ。
 齋木昭隆氏(元外務事務次官・日印協会理事長)推薦!「インド外交の過去・現在・未来がこの一冊で的確に示されている」

目次

第1章 アワドの教訓―戦略的充足感の危険性
第2章 分断の技法―フラット化する世界の中のアメリカ
第3章 クリシュナの選択―新興大国の戦略文化
第4章 インドのドグマ―歴史由来の躊躇をいかに乗り越えるか
第5章 官僚と大衆―世論と西洋
第6章 ニムゾ・インディアン・ディフェンス―中国の台頭をどうマネージするか
第7章 遅れてやってきた運命―インド、日本、そしてアジアにおけるバランス
第8章 パシフィック・インディアン―海洋世界の再登場

著者等紹介

ジャイシャンカル,S.[ジャイシャンカル,S.] [Jaishankar,S.]
インドの外務大臣、元外交官。1955年ニューデリー生まれ。デリー大学卒業後、ネルー大学で博士号(国際関係論)を取得。1977年にインド外務省に入省し、駐日大使館次席公使(1996‐2000)、駐チェコ大使(2000‐04)、駐シンガポール大使(2007‐09)、駐中国大使(2009‐13)、駐米大使(2013‐15)、外務次官(2015‐18)などを歴任した。退官後、2019年5月に発足した第2次モディ政権で外相に就任したほか、同年7月からは上院議員(インド人民党所属)も務めている

笠井亮平[カサイリョウヘイ]
1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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紙狸

21
原著2020年、翻訳22年の刊行。著者S・ジャイシャンカル氏は、モディ政権の外相。もともとはキャリア外交官。この本はシンクタンクなどでの講演をまとめた。教養のある外交官がレベルの高い聴衆向けに語ったもので、中身は柔らかくはない。訳注が簡にして要を得ており、解読を大いに助けてくれた。インドが大国として台頭していくことは確実だとした上で、「問われているのは、不確実性が高まる時代において、いかにしてそれを最適なかたちで実現するか」だという。マハーバーラタをひいた章はインドの「戦略文化」の一端を伝えようとする。2023/06/29

かなた

5
欧米に迎合することなく、アジアの一つの大国として実利主義を貫いている。インドは200年に渡り占領されてきたが、その憎悪を政治利用してこなかった点で、中国と違う。これからの国際社会を担う大国となることがほぼ確実のインドから目が離せない。2023/09/12

takao

3
ふむ2023/05/18

清角克由

2
ますます存在感が増すインドをどう捉えるべきかについて思うところあり読了。インド目線での近現代史的な解説も斬新で少しは掴めたかな。言われてみれば、西欧理解のための聖書も、中国理解のための三国志もあらましは知っているが、インド理解のためのマハーバーラタは何も知らないと気づき、次はマハーバーラタを読もうと決意2023/11/03

海冨長秀

2
インドについて詳しくないので日本が出てくるところしか楽しく読めなかった。インドはバーフバリやムトゥという大変面白い映画を見たくらいなので、神話や歴史について知ってから再読したい。印象に残った箇所はp200「日系企業はインドがビジネスのための理想的な環境を提供してくれるのを待つのではなく、それを自ら形成すべくさらなるイニシアチブをとってもらいたい。」NHK日曜討論で元外務省の出演者が米国からも「日本が米国に何をしてほしいのか、主張してほしい」とよく言われると言っていたのを思い出した。2023/02/16

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