出版社内容情報
死にとらわれた芸術家の生涯を辿る。
女優のブロマイド、天体図、貝殻などが箱に収められた作品を、生涯に800点以上制作。そのほか映画制作や雑誌デザインなども手がけたジョゼフ・コーネル(1903-1972)は、デュシャンのレディメイドや、ありふれた廃物を用いたシュヴィッタースなど、すぐれた現代美術の系譜に連なりながらも、ニューヨークの地で新聞や雑誌の切り抜き、衣装の切れ端、B級映画のフィルムといった取るに足らないものに魅せられ、作家人生のすべてを懸け、それらを寄せ集めた作品を作り続ける。「大人のための玩具」やクリスマスの贈り物と見られる一方で、コーネルの作品を見たサルバドール・ダリは羨望から逆上し、「着想はあれとまったく同じで……文字にしたことも誰かに話したこともない。でもまるであいつが盗んだみたいなんだ」と嘆いたという。コーネルはつねに生きている人間を警戒し、安全な距離を保つことを心がけていた。「この世を去った著名人と深く自己同一化し、彼らの人生に自身を没入させるのが大好きだった」。没後50年記念出版。この新版では作品図版の代わりに、原注の翻訳を加え、索引を充実させる。コーネルの生涯を函入りでお届けする。
内容説明
女優のブロマイド、天体図、貝殻などが箱に収められた作品を、生涯に八〇〇点以上制作。没後五〇年。
目次
1903‐17―組み合わせチケット 本券をお持ちの方には次の特典が…
1917‐21―フーディーニを夢見て
1921‐28―セールスマン暮らし
1929‐32―ジュリアン・レヴィ画廊
1933‐36―サルバドール・ダリの消えない記憶
1937‐39―新ロマン主義者の登場
1940‐41―バレエの一夜
1942―異邦からの声
1943‐44―“ベベ・マリー”、または視覚的な所有
1945‐49―ヒューゴー画廊
鳥小屋
イーガンでの歳月
鳥たち
スティブル画廊
ビッグフォードで朝食を
ポップ、美術界を行く
ジョイス・ハンターの生と死
さようなら、ロバート
さようなら、コーネル夫人
グッゲンハイム展
「バスローブで旅をする」
「日の光が差してきた…」
著者等紹介
ソロモン,デボラ[ソロモン,デボラ] [Solomon,Deborah]
1957年生まれ。コーネル大学で美術史、コロンビア大学でジャーナリズムを学ぶ。ジャーナリスト、美術評論家
林寿美[ハヤシスミ]
インディペンデント・キュレーター。国際基督教大学卒業後、1989年よりDIC川村記念美術館(千葉県・佐倉市)に学芸員として勤務し、「なぜ、これがアートなの?」、「ロバート・ライマン」、「ゲルハルト・リヒター」、「マーク・ロスコ」、「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎」などの展覧会を企画。同館を退職後は、ヨコハマトリエンナーレ(2014/2020)や「Robert Frank:Books and Films,1947‐2017」など、内外の展覧会やプロジェクトに携わる
太田泰人[オオタヤスト]
1951年生まれ。美術史家。東京大学、パリ大学に学んだ後、1983年~2011年、神奈川県立近代美術館に学芸員として勤務。「ダダと構成主義」展、「ニコラ・ド・スタール」展、「ジョゼフ・コーネル」展、「ル・コルビュジエ」展、「坂倉準三」展などを担当。2012年~2017年、女子美術大学教授
近藤学[コンドウガク]
1972年生まれ。近現代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
paluko