出版社内容情報
「20世紀最後の巨人」の?脱神話化を試みる決定版
世界を牽引した指導者、「最後の偉大なフランス人」シャルル・ドゴール。彼は巧みな戦略家であり、ひとつの政策に固執する反面、融通無碍な政治家でもあった。派手さを嫌う性格でありながら、ショーマンシップも発揮した。悲観と楽観のあいだを揺れ動き、自信を喪失したかと思うと、自己をフランスと一体化させ、君主であるかのように振る舞った。人びとの心にほとんど宗教的な崇敬の念を吹きこんだ。国民の統一を希求したが、その手法や政策はフランス社会に分断と対立を生み、ドゴールが憎悪の対象ともなった。
従来のドゴール伝が礼賛か批判かに偏りがちだったのに対して、本書は時代ごとの世界情勢や政治的状況、経済的環境のなかにドゴールを位置づけ、著作、書翰、発言、さまざまな同時代人の証言、新公開されたフランス国立文書館収蔵のドゴール文書など膨大な資料を駆使して、その全体像を中立かつ客観的な視点から記述する。さらに本書の大きな魅力は、資料の綿密な分析に基づいて、「人間ドゴール」の複雑な性格を浮びあがらせている点にある。英国の世界的権威による、ドゴールを主役にした「20世紀フランス史」。
内容説明
「最後の偉大なフランス人」の真の姿とは?戦後の1947年から1970年の逝去まで、世界を牽引した「強大な指導者」の軌跡を、英国の歴史家が活写する。“ダフ・クーパー賞”ほか多数受賞。地図7点・口絵写真16頁ほか図版収録。
目次
第3部 権力の座につき、権力の座をおりる―1944年‐1958年(新たなる救世主―1947年‐1955年;「砂漠」にて―1955年‐1958年;シャルル・ドゴールのブリュメール一八日―1958年2月‐6月;閣議議長―1958年6月‐12月)
第4部 共和国の君主―1959年‐1965年(「われわれを捕らえて放さず、麻痺させるこの問題」―1959年‐1962年;大転換―1962年;偉大さの追求―1959年‐1963年;世界に打って出る―1963年‐1964年;現代化を実行する君主―1959年‐1964年;ハーフタイム―1965年)
第5部 終焉に向かって―1966年‐1970年(「花瓶をひっくり返す」―1966年‐1967年;収穫逓減;革命―1968年;終焉―1968年6月‐1970年11月;神話、遺産、業績)
著者等紹介
ジャクソン,ジュリアン[ジャクソン,ジュリアン] [Jackson,Julian]
1954年生まれ。ロンドン大学クイーンメアリー校史学部教授。英国学士院および王立歴史学会会員。専門は20世紀のフランス史で、英国におけるその第一人者として広く内外に認められ、フランスの“教育功労勲章コマンドゥール賞”を授与されている。本書で2018年度の“ダフ・クーパー賞”、“パリのアメリカ書店賞”、2019年度の“エリザベス・ロングフォード賞”などを受賞した
北代美和子[キタダイミワコ]
1953年生まれ。翻訳家。日本通訳翻訳学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TK39
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