出版社内容情報
米国の特派員がロシアの各世代、各立場の人々に取材、権威主義体制下での葛藤と妥協、したたかな「ずる賢い人」の心奥に迫る密着ルポ。
内容説明
『ニューヨーカー』モスクワ特派員が、ロシアの体制派から反体制派まで、各世代、各立場の人々に取材、権威主義体制下での葛藤と妥協、したたかな「ずる賢い人間」の心奥に迫る密着ルポ。
目次
序章 ずる賢い人間
第1章 政治儀式の仕掛人
第2章 チェチェンに気をつけろ
第3章 最後の神父
第4章 群れの王者
第5章 収容所についての覚書
第6章 この世の地獄
第7章 繊細な生き物
終章 父と子
著者等紹介
長〓泰裕[ナガサキヤスヒロ]
1956年神奈川県生まれ。国際基督教大学卒業後、1981年NHK入局。主に国際報道記者として、プラハ、ベルリン、ジュネーブ、モスクワ支局に勤務。「ベルリンの壁崩壊」後の欧州の政治状況、ユーゴ民族紛争等を中心に取材。2003年からNHK‐BS1の夜の国際ニュース番組「きょうの世界」のキャスター(2003年~2007年)を務め、パリのNHKヨーロッパ総局長、神戸放送局長等を経て、現在は、(一財)NHK財団・国際事業本部・チーフ・プロデューサー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばんだねいっぺい
33
ディストピアとしてのロシアがメディアや宗教、チェチェン、クリミア等の枠ごとに語られていく。そのどこにも板挟みの状況がある。ウクライナ戦争のなぜを求めて読書したが、似たようなことは、どこの国にもあると思った。ずる賢いことが、全体から見て、真に賢いことかと問うこと自体が難しい場合もある。2024/04/10
ふな
8
ウクライナ戦争をきっかけにロシア情勢を知りたくなり購入。恥ずかしながらクリミア併合のことは全く知らなかった。ロシアではどんな職業であっても自分のやりたいことを貫くには国家との連携が不可欠で、そこから外れると制裁を受ける羽目になる。国家に利用されつつもしたたかに立ち回る女性人権活動家のお話が印象に残った。翻訳の読みにくさもあってなかなか進められなかったが、読んでよかった。2025/07/07
harumi
6
雑誌『ニューヨーカー』のモスクワ特派員である筆者が今のロシアに生きる様々な立場の人たちを取材しまとめた本。ロシアの人々が今のロシアの状況を一体どう思っているのかを知りたい人にはうってつけの読み物。そこにはプーチンを支持するしないなどという優雅な余裕などなく、「国家の圧力に押し潰されそうになりながらも自分にとり何が一番得になるかをしたたかに計算し」つつ、必死にわずかに残っている自由を守ってい生きている姿がある。それがロシアの「ずる賢い人間」なのだ。西側に暮らす私達と比べると生きることははるかに難しい。2024/04/01
sakadonohito
4
あまり頭に入ってこなかった。。ロシアで生きる人々がどうプーチン政権下であがいて生きているかを書いている。テレビ関係、聖職者、チェチェン人、クリミアで生きる人、ドンバス地域で医療活動をする人、バレエダンサーなどなど。圧力があり自由には生きられない世界でどう生きていくか。生きるために主義主張を捻じ曲げることを強制される。大変ですね。2025/06/26
takao
3
ふむ2024/04/22
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