出版社内容情報
フランス17世紀の思想家ブレーズ・パスカルによる、人間と信仰をめぐる思索の書『パンセ』は、忘れがたい名句やイメージに溢れ、時代を超え世界中で読み継がれている。著者はその39年の短い人生で、数学者、物理学者としても数えきれないほどの偉大な業績を残した(パスカルの三角形、パスカルの定理、圧力の単位ヘクトパスカルなどにもその名が刻まれている)。彼が発明した計算機の原理は、はるか現代のコンピュータをも予見するものであった。
本書は、そんな天才パスカルの科学的業績のうち、計算機および物理学に関する著述のすべてを収録するとともに、これと深く関係するパスカル以外の人物の手になる作品も加えて紹介する。また読者の理解を助けるための詳しい注が付され、編訳者による長文の解説が、時代背景や科学論文のもつ思想的意味を明らかにする。
計算機の製作、真空の問題、流体の平衡や大気の重さに関連する様々な文書と、詳細かつ行き届いた解説により、真理を追究しつづけたパスカルの独創的かつ根源的な思想が浮かび上がる。パリの国立工芸院が所蔵する、パスカルが製作した美しい計算機のカラー口絵も貴重。
内容説明
計算機の製作、真空の問題、流体の平衡や大気の重さに関連する様々な文書と、詳細な訳者解説によって、真理を追究しつづけた天才パスカルの独創的かつ根源的な思想が浮かび上がる。
目次
第1部 計算機関連文書(解題・翻訳・解説:永瀬春男)(大法官セギエへの『献呈の手紙』と使用者のための『手引』(1645年)
計算機の『特許状』(1649年5月22日)
パスカルからスウェーデンのクリスティーナ女王への手紙(1652年6月)
ベレールによる計算機の『説明書』(1659年7月4日))
第2部 物理学関連文書(解題・翻訳・解説:赤木昭三)(ピエール・プティからシャニュへの手紙(1646年11月19日あるいは26日)
『真空に関する新実験』(1647年10月8日印刷許可)
ノエル神父との論争(1647年10月末~1648年2月)
『流体の平衡についての大実験の話』(1648年10月頃)
『真空論の断片』 ほか)
著者等紹介
永瀬春男[ナガセハルオ]
岡山大学名誉教授
赤木昭三[アカギショウゾウ]
大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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