きつね

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  • サイズ 46判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560093702
  • NDC分類 989.23
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ノイシュタット国際文学賞受賞者であり、ロシア・アヴァンギャルドの研究者としても知られるクロアチア語作家ウグレシッチ。惜しくも最後の長篇となった本作は、いわゆるオートフィクションに分類されうるもので、作者を思わせる語り手は、1920年代から現代まで、ロシアからイタリア、クロアチア、イギリス、アメリカ、そして日本まで、トリックスターとしてのきつねさながらに、テクストの中を自在に駆けていく。作家とはだれか、物語とはなにか、事実と虚構、記憶、女性、戦争、越境、ナショナリティ……、あらゆる文学的主題を語る糸口となるのは、ボリス・ピリニャークの日本を扱った短篇「物語がどのように生まれるかの物語」だ。実在する文学作品や作家のみならず、存在しない文学作品や作家をめぐって縦横に展開するその語りのなかで、さまざまな周縁的存在の声が回復されていく。文学が物語を伝播する媒体なのだしたら、人間の生もまた「物語」というウィルスに冒されたテクストなのかもしれない。だが文学は同時に、物語に抗わんとするだろう。文学への愛とアイロニーに満ちた、語り手の鋭くも誠実な思考の軌跡をともに辿るかのような体験をぜひ。

内容説明

作家とはだれか、物語とはなにか、事実と虚構、記憶、女性、戦争、越境、ナショナリティ…文学をめぐる冒険、その愛とアイロニー。ロシア・アヴァンギャルド研究者としても知られるクロアチア語作家の長篇、待望の翻訳。ピリニャークの日本滞在記を糸口に、あらゆる文学的主題が縦横に語られるオートフィクション。

著者等紹介

ウグレシッチ,ドゥブラヴカ[ウグレシッチ,ドゥブラヴカ] [Ugresic,Dubravka]
1949‐2023。ユーゴスラヴィアで生まれ、アムステルダムで執筆を続けたクロアチア語作家。ザグレブ大学で比較文学とロシア文学を学び、卒業後はザグレブ大学文学理論研究所に勤め、ロシア・アヴァンギャルドの研究に従事した。ユーゴスラヴィアでもっとも権威あるNIN文学賞を女性としてはじめて受賞するも、ユーゴスラヴィア内戦に際し排他的なナショナリズムを批判して激しい攻撃にさらされ、1993年に「亡命」。その後、作家として国際的に高い評価を受け、1998年のオーストラリア国家賞のほか、長篇『バーバ・ヤガーは卵を産んだ』(2008、未訳)でジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞に、2016年にはノイシュタット国際文学賞に輝くなど、数多くの文学賞を受賞している

奥彩子[オクアヤコ]
共立女子大学教授。専門はユーゴスラヴィア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

43
「きつね」をモチーフにした文学を巡る思索の冒険小説。それぞれ異なった作家、テーマを核にしていて馴染みがあるものもあり、馴染みないものある。しかし、その分からなさもまたある意味では未踏の地を案内されているようで面白い。章ごとにバラバラに独立しているようでいて、作者の文学に対するひたむきな姿勢を主人公として捉えると、一冊の長篇小説のようにも読めてしまうのが大変に愉快だった。この作家の作品は全く読んだことがないのでいつか絶対に読みたい。亡くなってから出会ったのは残念だ。2023/10/04

かもめ通信

27
ユーゴスラビア出身のクロアチア語作家による長編小説。構成は6部立てで、各部は作者を思わせる語り手によってゆるやかに繋がっている。物語とは何か、作家とは、読者とは、ヒロインとは、ナショナリズムとは、亡命とは、移民とは……と、様々な問いを投げかけ、虚実織り交ぜながら物語る。これはもう本当にすごかった!ものすごく良かった!この作品の素晴らしさはもちろん、文学ネタやツッコミどころなどについても、あれやこれや書きたい、語りたい!と思いはするも、思ったことの10分の1も書けそうにない。2024/04/08

三月うさぎ(兄)

5
オートフィクションっていうラベリングがされていると読む気が失せていたんだけど、これもその箱に入るなら許す。 まず何に衝撃をうけるかといえば、ああ、ユーゴスラビア紛争は全然過去ではないのだな、という実感。人や世界が分かれていく壊れていく離れていくことに文学が何もできない(かも)という苦痛。そして腰痛の方必読(イブプロフェンの飲み過ぎには注意)。真面目な話、この世のありとあらゆるものに抵抗する文学を延々と続けてボロボロになった著者がそれでも「逡巡」しながら先に進もうとする英雄的な作品だと思います。長くないよ。2023/12/30

Mark.jr

4
「物語がどのように生まれるかの物語」を物語るために、著者が取った方法は自身の目を通して今まで物語に使ってきたものを明らかにすることでした。研究してきたロシア・フォルマニズム。クロアチアという東欧の小国の不安定な社会事情。女性という立場。自分の人生。そして物語・文学の未来(小説が一体何を残せるのか)。考えてみれば、小説家が自分を振り返った作品が、"小説をテーマにした小説"にならないはずがないでしょう。2024/12/17

圓子

0
越境すること。交差交錯混交。孤独。異邦人。女。マイノリティ。犀の角。『越境』に惹かれていると、あちらからよってくるようだ。越境に絡め取られている。物語は境目にできる。2024/03/11

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