出版社内容情報
内容説明
合理的な選択か、大きな間違いか。
目次
序章 社会的影響の力
第1章 同調はどのようにして生じるのか
第2章 カスケード
第3章 集団極性化
第4章 法と制度
結論 同調とそれへの不満
著者等紹介
サンスティーン,キャス[サンスティーン,キャス] [R.Sunstein,Cass]
1954年生まれ。ハーヴァード大ロースクールを修了したあと、アメリカ合衆国の連邦最高裁判所や司法省に勤務し、1981年よりシカゴ大ロースクール教授を務め、2008年よりハーヴァード大ロースクール教授。専門は憲法、行政法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策および規制政策担当官を務めた
永井大輔[ナガイダイスケ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2003年から05年まで英オックスフォード大学に留学。現在、法政大学および武蔵大学兼任講師。専門は十九世紀アイルランド史
高山裕二[タカヤマユウジ]
1979年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。現在、明治大学政治経済学部准教授。専門は政治学・政治思想史。『トクヴィルの憂鬱』(白水社)で渋沢・クローデル賞、サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえぽん
36
Nudgeで有名なHLS教授による特定の社会を超えた同調傾向と向き合う制度論。同調やカスケード自体は問題ではないとしつつ、人々が有益な情報を公にしないこととなる結果、大間違いをもたらしうるとする。コロナや大震災で多くの人が経験した利用可能性ヒューリスティックとカスケードとの組合せは、メディアの報道姿勢によっても増幅されてきたと感じる。合衆国憲法が保障する連邦制、二院制、米国に特徴的な合議制執行機関は同調傾向への遮断力を持つとするが、日本の二院制や地方自治の機能はどうか。法学教育での多様性重視は首肯できる。2024/01/28
りょうみや
25
人はいとも簡単に無意識に集団の影響を受けることを社会心理学的に示して、集団として極端な意見に陥らないための、法や制度のあり方について理路整然と述べられている。それは少数派の意見、批判的思考を常に抱えておくということになるだろうか。合衆国憲法はそのことを大事にしていることを強調している。最近のネット・SNSにも触れていて同じように当てはまる。巻末で訳者が有名な「『空気』の研究」と比較しているところも面白い。本書はその「空気」を社会心理学的な現象として見事に説明している。2024/03/17
Mc6ρ助
18
『訳語について少し注記すると、conformityはーーマイナスのイメージが糊塗されがちだがーー「同調」と訳した(タイトルは出版社の意向で「同調圧力」 とした)。 (p182: 訳者あとがき)』って、サスティーンさんの意図とタイトルの(アベノマスク的な)日本語のイメージの乖離が大きすぎませんか?まあ、熟議を経ない同調を憂う著者の危惧は正しいと思うけれど、圧殺される重苦しさがお馴染みの自公維新に投票しない日本国民たちの焦燥とはちょっとかけ離れているかな?2024/08/01
とりもり
4
タイトルは「自粛警察」のような強圧的なものを想像させるが、内容はもっと多岐に亘る。人は多数派の意見の影響を受けやすく(同調)、特に集団の議論はその傾向に沿ってより極端な考え方に収斂する傾向にある(集団極性化)。また、少数の主唱者の意見に他の人間が感化されがちでもある(カスケード)。対策として、連邦最高裁判決を例に必ず少数派の裁判官を加えることで結論の多様性を確保することを挙げる。ネット社会で同質の意見を持つコミュニティ化が促進される中、同調・カスケード化をどう防ぐかは民主主義の重要な課題かと。★★★★☆2023/12/02
ソフトバンク
2
アメブロに書きました https://ameblo.jp/softank/entry-12861016611.html2024/07/18
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