ボラーニョ・コレクション<br> ムッシュー・パン

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ボラーニョ・コレクション
ムッシュー・パン

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092682
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1938年、パリ。ピエール・パンの元に貧しい南米人のしゃっくりを治してほしいという依頼が舞い込む……初期の忘れがたい中篇小説ボラーニョが愛した初期の中篇
 1938年春、パリの病院で死の床につく貧しい南米人のしゃっくりを治してほしいという依頼がピエール・パンの元に持ち込まれる。第一次世界大戦の帰還兵でメスメリスムの信奉者であるパンは施術を行ない、再度患者の病室を訪ねようとするが、謎のスペイン人の2人組にことごとく阻まれ、面会は叶わない……
 隣国スペインで勃発した内戦の影、忍び寄る第二次世界大戦の気配、キュリー夫人の研究所といった同時代の社会背景が、作中に漂う不穏な空気を映し出す。巻末には『アメリカ大陸のナチ文学』を彷彿とさせる登場人物一覧と略歴を記したエピローグを収録。彼らの思いがけない人生の後日譚を読者は知ることになる。
 「作者による覚書」によると、当初『象の道』と題してスペインの地方文学賞に応募し、書籍化にあたり改稿、『ムッシュー・パン』と改題された本書は、ボラーニョにとって愛着を覚える一冊だったという。ちなみにこの「南米人」はペルー生まれの前衛詩人セサル・バジェホ(1892-1938)。本書はパリで客死したこの詩人に捧げるオマージュとして書かれた。元来詩人として出発したボラーニョの新たな魅力を知ることのできる初期の中篇小説。

ロベルト・ボラーニョ[ボラーニョ]
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』と本書『はるかな星』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、長篇『野生の探偵たち』、短篇集『売女の人殺し』(いずれも白水社刊)など、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去。2004年、遺作『2666』が刊行され、バルセロナ市賞、サランボー賞などを受賞。ボラーニョ文学の集大成として高い評価を受け、10 以上の言語に翻訳された。

松本 健二[マツモト ケンジ]
1968年生。大阪大学言語文化研究科准教授。ラテンアメリカ文学研究。訳書にR・ボラーニョ『通話』、『売女の人殺し』、A・サンブラ『盆栽/木々の私生活』、E・ハルフォン『ポーランドのボクサー』(白水社)など。

内容説明

1938年、パリ。第一次世界大戦の帰還兵である催眠術師ピエール・パンのもとに、貧しい南米人のしゃっくりを治してほしいという奇妙な依頼が舞い込む…ペルーの前衛詩人セサル・バジェホに捧ぐ、初期の忘れがたい中篇小説。

著者等紹介

ボラーニョ,ロベルト[ボラーニョ,ロベルト] [Bola〓o,Roberto]
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。2003年、50歳の若さで死去

松本健二[マツモトケンジ]
1968年生。大阪大学言語文化研究科准教授。ラテンアメリカ文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

127
1938年、その年のパリの不穏な空気。それが読みとれるかどうか。ナチスが台頭し、オーストリアを併合したのはこの年の三月。物語は4月6日の水曜から始まる。怪しげな二人はなぜスペイン人なのだろう。フランコ将軍の事実上の支配を国が認めた形になった年だからだろうか。それを1953年生まれのチリ人のボラーニョが描いている。続けて二度読んだが、きっとあるだろう訴えが見えてこなかった。個人的には、同じようにパリが舞台なら「売女の人殺し」の方がずっと好み。2017/04/04

藤月はな(灯れ松明の火)

82
やっと、見つけたボラーニョ作品の一つ。徐々にファシズムに染まりつつ、ある=「自由」が死につつあった1938年代パリ。しゃっくりの止まらない患者を診察することになった催眠術師、ムッシュ・パンの仕事は尽く、邪魔が入り・・・。マダム・レノーへの恋心の顛末、ファシストに染まった親友との大義故の別離、映画談義、患者の正体など、あっけらかんとしたブツ切れ挿話で成り立つ物語は人の一生を暗示しているよう。そしてエピローグでの伝聞調で分かる各登場人物のその後はとても寂しく、同時に温かい。2017/03/09

どんぐり

81
ボラーニョ・コレクションの1冊。時代は1930年代のパリ。マダム・レノーから「しゃっくりがとまらない重病患者」にメスメリスム(動物磁気=催眠術)の施術を依頼されたムッシュー・パン。そこに待っていたのは、バジェホという患者。一度は「病に、バジェホという穴に集中」して施術を行うも、次の日には会うことがかなわず、コンタクトがとれなくなる。あげくのはてに正体不明のスペイン人に尾行され、これ以上バジェホには近づくなと金を渡され放免される。その後、スペイン人の男を見つけて尾行するものの、映画館の迷路に入り込む。→2023/11/29

三柴ゆよし

23
ボラーニョ自身によってたびたびネタにされる若き日の賞金稼ぎ(おなじ作品のタイトルを変え、いろんな地方の文学賞に応募し、その賞金で糊口をしのぐ)に使われたという中篇小説。死の気配ただよう文体、映画への興味、実在の詩人への言及など、その後のキャリアに継承される要素はおおく、彼の諸作のなかでは最も読みやすい部類にはいるが、いまひとつ習作感は拭いされず、これをボラーニョ初体験にしようとおもっている人には待ったをかけたい。おとなしく、他のから読むんだ。本書はむしろ擦れ枯らしたボラーニョ読者の渇をこそ癒すものだろう。2017/01/21

ネムル

21
ボラーニョは通話と売女を刊行時にすぐ読み、楽しくは思いつつもそれ以上の愛着はなかったのだが、いま再び入門のつもりで読んでみる。ボラーニョが作家として歩み始める初期の習作ということだが、この作品が素晴らしいか満足したかというと、やや答えにくくもある。だが38年のパリという死に向かいつつある時代を舞台に、死の雰囲気の濃厚な本作が好きかと問われれば間違いなく好きだし、楽しく読み終えた。なので、ナチ文あたりを起点にまたボラ道を歩んでみたい。2017/01/29

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