ボラーニョ・コレクション<br> はるかな星

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ボラーニョ・コレクション
はるかな星

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  • サイズ B6判/ページ数 183p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092668
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

出版社内容情報

軍政下のチリ、複数の名をもつ前衛詩人にして殺人鬼……『アメリカ大陸のナチ文学』最終章の主人公をめぐるもうひとつの戦慄の物語。

ボラーニョ文学の要となる初期の重要作
 軍政下のチリ、奇抜な空中詩パフォーマンスでその名を馳せたカルロス・ビーダー。複数の名をもつ彼の驚くベき生涯とは……『アメリカ大陸のナチ文学』最終章の主人公をめぐる、もうひとつの戦慄の物語。
 語り手がその男に初めて出会ったのは1971年か72年のこと。当時はルイス=タグレと名乗り、詩の創作ゼミに出入りしていた。どこかよそよそしくとらえどころのない雰囲気で女子学生たちの心を征服し、男子学生たちは羨望と不信感を抱く。
 やがて73年にクーデターが勃発。若い詩人たちまでもが血なまぐさい事件に直面させられたこの時代、語り手は拘留先でふたたび彼の姿を目撃する。だがそのときはまだ、収容所の空に飛行機雲で聖書の言葉を綴ったパイロットがルイス=タグレと同一人物だとは知らない。パイロットの名はカルロス・ビーダー、クーデター後、政権側に与し、数々の忌まわしい所業に手を染めていたことが判明する……
 『アメリカ大陸のナチ文学』に登場するラミレス=ホフマンの物語を下敷きに、前衛詩人、写真家にして恐怖の殺人者ビーダーの物語が、ひとつの小説の形をとって新たに立ち上がる。後年の作品の萌芽が随所に感じ取れる、ボラーニョ文学の要。

【著者紹介】
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』と本書『はるかな星』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、長篇『野生の探偵たち』、短篇集『売女の人殺し』(いずれも白水社刊)など、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去。2004年、遺作『2666』が刊行され、バルセロナ市賞、サランボー賞などを受賞。ボラーニョ文学の集大成として高い評価を受け、10以上の言語に翻訳された。

内容説明

軍政下のチリ、奇抜な空中詩パフォーマンスでその名を馳せた飛行詩人カルロス・ビーダー。複数の名をもつ彼の驚くべき生涯とは―。『アメリカ大陸のナチ文学』から飛び出したもうひとつの戦慄の物語。

著者等紹介

ボラーニョ,ロベルト[ボラーニョ,ロベルト] [Bola´no,Roberto]
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』と本書『はるかな星』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞

斎藤文子[サイトウアヤコ]
1956年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。ライス大学大学院修士課程修了。東京大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

84
ボラーニョ・コレクションの1冊。長編『野生の探偵たち』の一部に組み込まれてもおかしくないような作品。舞台は1970年代のチリ。本書の語り手である詩人のまわりでは、突然行方不明に者が後を絶たない。ガルメンディア姉妹、大学の詩のゼミに参加していた学生や主宰者などが消息不明のままだ。国内の左翼狩りにより、他国に出国したり、隠れたり、拉致されたり、殺害されたりして多くの知識人が犠牲となった。詩人のアルベルト・ルイス=タグレもその一人だったが、名前をカルロス・ビーダーに替えてチリ空軍の将校として登場する。→2024/01/31

スミス市松

29
『アメリカ大陸のナチ文学』と対をなすボラーニョ初期の中編小説。架空の文学狂人列伝という形式で書かれた前作では著者独特の着想力を垣間見たが、一方で本書はそこから複数のモチーフを抽出してひとつの物語を構築しており、この作家が散文形式の〈物語〉を手際よく語る俊敏さをも兼ね備えていたことがよく分かる。また、本書では〈物語〉の形式を用いることによって前作では直接的に描かれなかった〈悪〉に一層接近していることも注目すべきである。2017/04/30

三柴ゆよし

25
『アメリカ大陸のナチ文学』最後のエピソード「忌わしきラミレス=ホフマン」の双生児としての小説。人物名に異同がある以外、プロットに大きな変更はない。しかし本書において『アメリカ大陸のナチ文学』を読んだときには気付かなかった、ボラーニョの企みの一部があらわになったように思う。鴻巣友季子が看破したように、ボラーニョを読むとは、ひとえに<読む>という行為における主体と客体の融解であり、読者は各作品の登場人物、そしてボラーニョ自身と自らの境界を絶えず意識せざるをえない、極めて有機的な読書の時空に身を置くことになる。2015/12/27

ぞしま

24
『アメリカ大陸のナチ文学』の終わりを強烈に飾ったあの空中詩人、それと幾つかの挿話。「絶対的な悪」について…戦慄を覚え、覚えず涙が出て、次には美を、美の在り方を思った。ロレンソのシーンの凝縮されたたたみかけるかのような筆致は、とりわけ美しかった。彼の詩性、それはまた別な所にあるにしても、忘れ去られていく者に向かうまなざしと、執拗とまで思える記憶への執着は、種々の固有名詞に宿る。偏在しながらも幾重に重なり開かれていくパースペクティブ…見てはいけないものを見てしまった悲しみは、遠く霞んでいくかのよう。2015/11/28

燃えつきた棒

22
ボラーニョ初体験だったが、なまくらな僕の感性にはどうにもピンと来なかった。 気の利いた感想は、読み巧者の読友さんに委ねたい。 2016/07/24

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