やんごとなき読者

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  • サイズ B6判/ページ数 169p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092255
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

イギリスの人気劇作家・脚本家によるベストセラー小説。
主人公は現女王エリザベス二世。それまで本にはほとんど興味がなかったのに、ある日飼い犬が縁で、すっかり読書の面白さにはまってしまう。カンニングする学生のように公務中に本を読みふけるわ、誰彼かまわず「最近どんな本を読んでいますか」と聞いてはお薦め本を押しつけるわで、側近も閣僚も大慌て。
読書によって想像力が豊かになった女王は、初めて他人の気持ちを思いやるようになるものの、周囲には理解されず、逆に読書に対してさまざまな妨害工作をされてしまう。孤独の中で女王は、公人としてではなくひとりの人間としての、己が人生の意味について考えるようになっていたのだが、王宮中に、「陛下はアルツハイマーかもしれない」という噂が広まっていき……。
本好きなら、読むことと書くことの本質を鋭く考察した台詞や思索の数々にうなずかされる部分も多い。実在の女王が主人公という大胆な設定で、ひとりの人間が読書によって成長し、ついには80歳にして新たな生き甲斐を発見していく姿を描いた、感動の一冊。

◎「映画『ローマの休日』のように魅力的な物語」――「ニューヨーク・タイムズ」評
◎「すばらしく楽しい物語だが、それだけではない。人生を変え、視野を広げ、他人の身になって考えさせる……読書の力の、大真面目な宣言である」――英「オブザーヴァー」評

内容説明

英国女王エリザベス二世、読書にハマる。おかげで公務はうわの空、側近たちは大あわて。「本は想像力の起爆装置です」イギリスで30万部のベストセラー小説。

著者等紹介

ベネット,アラン[ベネット,アラン][Bennett,Alan]
1934年、イギリスのリーズに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。劇作家、脚本家、俳優、小説家。数多くの演劇、テレビ、ラジオ、映画の脚本を執筆し、2006年にはThe History Boysでトニー賞受賞、同年のBritish Book AwardsでAuthor of the Yearに選ばれた。他受賞多数。風刺的でありながら温かみもあるコメディを得意とする

市川恵里[イチカワエリ]
1966年生まれ。早稲田大学第一文学部卒(英文学専修)。編集者を経て翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

465
様々な意味において、ほんとうにイギリスらしい小説。タイトルから想像がつくように、そもそも主人公は現女王、エリザベス2世なのだから。我々の感覚では、いいのかなとも思うが、イギリス王室、あるいはイギリス人は、これくらいを許容してしまうくらいの包容力があるのだろう。現職の首相や、カンタベリー大僧正、果ては隣国フランスの大統領までをコケにしてしまえるのも、ひとえに洗練されたユーモアゆえだ。読書を通じて成長する女王。エンディングの2行は、それを如実に明かすとともに、なんとも気が利いた最上級のユーモアに満ちている。2015/09/19

遥かなる想い

410
「イギリス版読書のすすめ」 とでも言うべきなのだろうか。 「本を読む喜び」を エリザベス女王の日常で 読者に伝えてくれる。 女王が読書に目覚めていく 様は面白い。 「知的でない」のが イギリスの上流階級の 特徴であるかどうかは 別として、女王の周囲が 読書にうろたえ、不安に なる様はなぜか可笑しく、 この本の楽しさはここに ある気がする。2015/07/30

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

204
皮肉の効いたユーモアとウィットに富んだ〈やんごとなき〉女性の物語。エリザベス女王が読書の面白さを知り、王室を右往左往させるという、いかにも英国的なお話。日本で皇室を皮肉った本を上梓したらさぞ大騒ぎになるんじゃないだろうか。読書に熱中するあまり、公式行事に支障が起きたり、側近と本の話をしようとしても誰も読んでいなかったり、上品なスラップスティックコメディが展開しつつも、読書を通じて人の心が分かるようになっていく女王の姿はステキだ。80歳を目前にしても、人は成長できるというポジティブなメッセージを受け取った。2015/07/05

kariya

201
善良な小心者を犯罪者へ、慎ましやかな淑女を悪女へ変貌せしめる、罪深き快楽の名は読書。英国女王がふとしたきっかけで読書なる悪癖にはまり込んだ。周囲の顰蹙のみならず、公務にさえ影響を及ぼし始めた騒動の果てに、女王は一つの答えに辿り着く。何とも皮肉の効いた風刺小説であると共に、活字に取り憑かれた者の欠点と、そして大いなる喜びを描いて微苦笑や共感を誘う。高尚な趣味でも、他者との差別化を図る行為でもなく、字を追い頁を繰るのが、ただ息をするように当たり前で自然なことである人間の。2010/01/17

AKIKO-WILL

192
【ガーディアン1000冊】1冊目は、こちらを読みました。とても読みやすかったです。フィクションだけどイギリスのエリザベス女王が読書に目覚めたら…の設定が面白くて、映画を見ているかのようにページを捲るのが止まらなくなる。70代後半まで読書をする時間などなかった 彼女がのめり込むように嵌る読書。周りの人々は、その女王の変貌ぶりに戸惑い。孫のように年の離れた厨房にいたノーマンを傍らに置き、読書の秘書、友のように接する彼女。読書によって性格までも変わっていく姿にあの気難しくて近寄りがたい女王様が身近に感じました。2016/06/20

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