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しあわせな日々/芝居 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092248
  • NDC分類 952
  • Cコード C0074

内容説明

ミニマル・ミュージックさながらの書法。草原の土まんじゅうに埋もれる女が主人公の「しあわせな日々」、骨壷から頭だけ出した三人がひたすらしゃべりつづける「芝居」の他、「言葉と音楽」「ロッカバイ」「オハイオ即興劇」「カタストロフィ」を併録。

著者等紹介

安堂信也[アンドウシンヤ]
1927‐2000年。現代フランス演出史専攻。早稲田大学名誉教授

高橋康也[タカハシヤスナリ]
1932‐2002年。イギリス文学(特にシェイクスピアおよび現代劇)専攻。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

36
腰から下が埋まり切ったウィニー、壺から顔だけ出している男女―後期ベケットの戯曲は登場人物が「動けない」「動かない」状況を逆手に取った、逆説的な言葉への確信が特徴的だ。しかし言葉は音楽とすれ違い、私自身の声とも微妙にずれ続けている。終わりの気配がいっそう濃くなったこの作品群は、それでもなお抵抗のユーモアは通底音としてなり続けている。それは丁寧に耳を澄まさなければ聞き取れない程度のユーモアだけど、それでもアイロニーをも打ち破る肯定感はきちんと潜んでいるのだと思う。それに気づければ、それはきっとしあわせな日々。2014/06/15

袖崎いたる

5
戯曲を読もうぜ!とアジったのは別役実だったかしら。正直なところ小説と比べれば不慣れな読みになってしまったことは否めない。『マーフィー』のときに印象した衒学趣味は結局ベケットには憑き物らしいね。やたら厄介な言い回しだったり古典作品およびその作者を引用する。「蟻痒感」なんて言葉、ふつう知らんて(笑)2021/01/12

roughfractus02

4
言葉を言葉ならざるものに移行する道具立ては、人間を舞台に首まで埋めるか、顔だけが出る壺の中にはめ込むかである。言葉が作る世界と舞台が言葉ならざる情報によって観客に示されるものが食い違うほどその物語はおかしみを作り、笑いを引き起こす。ウィニーは腰まで埋まってしあわせな言葉を語り、芝居そのものを表す並んだ壺に入った3人の男は首だけ出して呟き続ける。観客がこれらを不条理とみなすのは条理を作る物語に馴らされたからだ。著者の演劇は現実にも物語があることを指摘し、自らの現実が物語に制御される様を指摘されて観客は笑う。2017/07/18

龍國竣/リュウゴク

2
前者は腰の上までうずもれた形で、後者は死後の世界という形で、それぞれ閉塞感、延いては密室性を孕んだ作品である。共に夫婦が登場し、そこに表れる悲愴感は筆舌に尽くし難い。「オハイオ即興劇」は聞き手が「ノックする」ことで進行し、音の幅を広げている。2013/12/16

ホッタタカシ

2
あきらかな政治諷刺コント『カタストロフィ』はピンターの一部の後期コント作品に近いが、よりバカバカしい感じ。日本人で理解可能なのかおぼつかない『ロッカバイ』だが、先日上演を観た『オハイオ即興劇』は意外に納得できてしまったので公演を観てみたい。『しあわせな日々』は一度、杉浦由美子で観たが、いろんな人で観たい作品。『芝居』の「壷に入った人々」はどうしても映画『西大后』を思い出す……w2013/02/22

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