勝負の終わり/クラップの最後のテープ (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092231
  • NDC分類 952
  • Cコード C0074

内容説明

ポストモダンな孤独とブラックユーモア。ひきこもり男が暴君として振る舞う「勝負の終わり」、誕生日ごとに録音装置に入生を語る「クラップの最後のテープ」の他、「行ったり来たり」「わたしじゃない」「あのとき」を併録。

著者等紹介

安堂信也[アンドウシンヤ]
1927‐2000年。現代フランス演出史専攻。早稲田大学名誉教授

高橋康也[タカハシヤスナリ]
1932‐2002年。イギリス文学(特にシェイクスピアおよび現代劇)専攻。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

38
ベケットの戯曲は何も始まってない、ような作品が多い(間)しかし同じ様に、何一つ終わらない作品もまた多いのだ(間)チェスの終盤戦を意味するタイトルの『勝負の終わり』なんて終わらせるために始まり、終わり損ねて終わっている(間)饒舌さは何も伝えることなく、沈黙こそ雄弁に物語るのであり、言葉と言葉を繋ぐ間はリズムの休符の様に絶えず言葉を生き返らせる(間)まだ続いている、無様でも続いていると笑い飛ばすユーモア(間)それこそが終わり切れない人生を終わらせることなく肯定する(間)たぶん、そう(長い沈黙)続けよう(間)2014/06/14

フリウリ

10
モリエールを続けて読んでいて、「解毒的に」挟みました。ベケットを知ってしまっているのだから、仕方がないです。ベケットは「ゴトーを待ちながら」で大成功をおさめたにもかかわらず、次の「勝負の終わり」は、フランスでは上演できなかったそうです(初演は英国)。モリエールの時代から、およそ300年を経ています。72024/03/30

イシザル

8
不条理演劇の代表のような「エンドゲーム」。核の脅威等を知ってる世代の演出は、皮肉的に滑稽にちょっと暗い気がする。知らない世代からは、そう感じる。知らない世代で演出すればどうなるのか?考えてみた。ブラピがラリった演技(ワンハリ、12モンキー)は、現代の不条理劇なのでは?噛み合ってないだけか?ソダーバークのポンコツ同士の会話っとかセンスいいしスタイリッシュだ。そんなんので観てみたい。2019/09/30

袖崎いたる

7
ベケットの戯曲は小説ほどまだ響かないけれど、これをおもしろいと感じる感受性はぼんやりとうかがえる。その感受性とやらはしかし、ブルデューの社会学をNHKで紹介された後だと一概に好ましいものに感じられなくなっている。趣味判断は環世界的に仕組まれている。解説の高橋康也によるシンタグム/パラダイムの軸分けには感心した。なるほど、ベケットはパラダイムで文を進めていくんだな。……じつはワイもそれに憧れている。引き続きレッツラベケット。2021/01/08

ディヴァイン

5
『勝負の終わり』は『ゴドー』よりも救いようがなく凄まじい。ハムの暴君的な振る舞いに従うクロヴ、ナッグ、ネルの姿はなんと痛々しいことか。最初のにクロヴが言う――終わり、終わりだ、終わろうとしている。という一言にはこの悲喜劇の始まりを告げる鐘として相応しい。『クラップの最後のテープ』『行ったり来たり』『わたしじゃない』『あのとき』計五つの戯曲が収められているが、どれもよいと思われる。個人的には『わたしじゃない』の独り語り形式で全編が終わっていくのには驚嘆させられた。2009/06/18

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