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ナイフ投げ師

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092033
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

自動人形、遊園地、気球飛行、百貨店…ようこそ“ミルハウザーの世界”へ。飛翔する想像力と精緻な文章で紡ぎだす、魔法のような12の短篇集。

著者等紹介

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生。東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

140
思索の暴走。巡らせる想像が越えてはいけないラインを越える。決して行動的でも、外交的でもない人たち。見てときめく。手にした時には、他のものを頭に描く。空へ飛躍し、どこまでもどこまでも行こうとする。スリルのリミットがわからなくなる。彼らの気持ちをストップさせなくては、どこまでもいかせてはならないと思いつつ、一緒にその先を見たくなり、鼓動が高鳴る。一番試して欲しかったのは、投げられるナイフの的、そしてballoonの行き着く先。一番心が落ち着いて平静だったのは、カエルが見守る畑のシーン。2018/02/20

どんぐり

133
ミルハウザーの短編集。奇想天外な物語が12篇収まっている。これは現実の世界なのか、異次元の世界なのか。遊園地に来て出口がわからず、迷路に入り込んだような、そんな読後感をもった。舞台で残酷なナイフ投げを行う『ナイフ投げ師』、 “妻だ”と言ってカエルと暮らす友人を訪れる『ある訪問』、夜ごと集まる『夜の姉妹団』、まだまだある不思議な物語。それも“なんだろう、これは”というザラザラ感。これがフックとなって最後まで読み切る。圧巻は、1912年6月1日に開園し、1924年5月31日に火災によって焼失した遊園地を描いた2016/02/07

藤月はな(灯れ松明の火)

85
スティーヴン・ミルハウザー作品は私にとって「好み」に当て嵌るように思えて実は嵌らない作品の一つだ。そして中学生の時に始めてこの本を見つけた時、そんな直感に貫かれた想い出がある。やっと、読んだがやっぱり、私にとってはどこか当て嵌らない作品だった。表題作の下世話さや偽善性、いつか、起こるかもしれないことの不安感は少し、共感できる。しかし、「夜の姉妹団」は思春期の女の子の感性や堅くなさに目を向けずに無邪気に親を慕ってくれた頃に逃避したい親達の集団ヒステリーとしか思えない。2016/11/07

アマニョッキ

53
この表紙とタイトルにぐっと心を掴まれ初めてのミルハウザー。高熱を出したときに見る悪夢の中にいるような読書体験。拡張と収斂、飛翔と降下、奔放と静謐、対極にあるものを撹拌させていくようなやりかたに、もう自分が昇っているのか堕ちているのか、上下左右も分からなくなる。とても色鮮やかで美しい描写ばかりなのに、なぜかダークな世界にしか見えないのも夢の中と同じよう。ミルハウザーという白昼夢にどっぷり浸かってしまいしばらく脱け出せそうにない。2018/03/30

らぱん

52
自分には二冊目のミルハウザー。98年作だが60年代のサイケデリックの匂いがして70年代のSF的世界があった。偏執的で精緻な描写で物語とは騙りなのだと訴えてくる。舞台や設定は非日常的で子供が飛びつくような怪しさといかがわしさがあって怖いもの見たさが疼く。登場人物はけっこうサイコだ。ぐにゃっと捻じれたダリの絵のような詩的で映像的な世界にあざとさも感じるが、いったいどこにたどり着くのかと思わせる魅力で読ませる。不均衡や不調和を味わうスリリングな短編集なので精神的に不安定なときには読むとやられそう・・・。↓2020/06/22

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