出版社内容情報
現職のインド外相が明かす「内在的論理」
インド外交の舵取りを担うジャイシャンカル氏が、前著『インド外交の流儀』の刊行以降、さらに「先行き不透明」な世界の中でインドは何を達成してきたのか、そして今後何をめざすのかを明確に示したのが本書である。著者は四〇年にわたり職業外交官としてインド外交の最前線で活躍し続けた人物であるとともに、国際政治分野で博士号をもつ教養人でもある。本書の記述はそうした豊富な経験と学識に裏打ちされたものであり、インド外交の内在的論理を理解するための絶好のテキストだと言える。
本書を特徴づけているのは、壮大な叙事詩『ラーマーヤナ』を参照しながらインド外交論を展開している点だ。各章の冒頭でテーマを示した後、それに関連する『ラーマーヤナ』のエピソードや登場人物を紹介し、その上で本論に入るという構成で、複雑さを増す国際情勢やインドの立ち位置、その中で追求されるべき理想や国益について巧みな筆致で解説する。インド人の意識に深く根差した物語に則して展開されるインド外交論は、類書にはない知的深みを有している。
豊島晋作氏(テレビ東京WBSメインキャスター)推薦!
内容説明
現職の外相による外交論、待望の第2弾!
目次
第1章 世界観を提示する―計算、文化、明晰性
第2章 外交政策と国民―日々の生活にどう影響するのか
第3章 世界の現状―情勢を理解する
第4章 バック・トゥ・ザ・フューチャー―国家安全保障とグローバリゼーション
第5章 転換の一〇年―世界を導く国になるための基礎を敷く
第6章 友好国をつくり、人に影響を及ぼす―なぜインドはグローバルな地位を築く必要があるのか
第7章 約束されていたクアッド―共通利益に新たな思考が求められるとき
第8章 中国と向き合う―リアリズムの重要性の認識
第9章 安全保障再考―現代の状況にどう適応するか
第10章 未踏の道―リーダーの追憶と歴史の再訪
第11章 なぜ「バーラト」が重要なのか―自らの価値を理解し、自信を表明する
著者等紹介
ジャイシャンカル,S.[ジャイシャンカル,S.] [Jaishankar,S.]
インドの外務大臣、元外交官。1955年ニューデリー生まれ。デリー大学卒業後、ネルー大学で博士号(国際関係論)を取得。1977年にインド外務省に入省し、駐日大使館次席公使(1996‐2000)、駐チェコ大使(2000‐04)、駐シンガポール大使(2007‐09)、駐中国大使(2009‐13)、駐米大使(2013‐15)、外務次官(2015‐18)などを歴任した。退官後、2019年5月に発足した第2次モディ政権で外相に就任したほか、同年7月からは上院議員(インド人民党所属)も務めている
笠井亮平[カサイリョウヘイ]
1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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