出版社内容情報
先見の明と野望を備えた「王にして知識人」
アレクサンドロス大王の名はよく知られている。だが、なぜそうなったのかというと、その死後に配下の将軍たちが、我こそは大王の正統な後継者だと主張して貨幣に大王の肖像を描き、大王にならって都市を建設し、異民族とうまく共存できる統治を模索するなど、大王の遺産を最大限に利用したからである。そうして生まれた王朝のうちもっとも長続きしたのが、クレオパトラ七世で知られるエジプトのプトレマイオス朝だった。本書はその創始者プトレマイオス一世の、専門家にも一般読者にも読み応え十分な評伝である。
プトレマイオスはアレクサンドロスの学友だったが家柄は低く、側近護衛官に出世しても、軍人としての経験は明らかに不足していた。それがどうやってエジプト総督の地位を手に入れ、将軍たち相手に勝ち抜いていけたのか。著者は、複雑な後継者戦争の展開をわかりやすく整理しつつ臨場感あふれる筆致で描き、時には通説に異議を唱えながら、プトレマイオスの人物像を浮かび上がらせる。そして文化・経済・宗教政策など、彼の洞察力と先見の明、断固たる実行力を示しつつ、晩年に執筆したアレクサンドロスの伝記的作品について多面的に考察する。
内容説明
先見の明と野望を備えた「王にして知識人」。アレクサンドロス大王の護衛官は、いかにして後継者戦争を勝ち抜き、異民族の地に独自の王朝を打ち立てたのか。彼の『大王伝』は何を伝え、何を語らなかったか。通説を見直し、プトレマイオスの人物像を一新する。
目次
クレオパトラからプトレマイオスへ
若きプトレマイオス
アレクサンドロスと共にペルシアへ侵攻
アフガニスタンへの遠征
インドへ、そして帰還
プトレマイオスと後継者たちの勃興
エジプトを確保する
攻勢に転じる
アレクサンドロスの遺体
総督から王へ
同等者中の第一人者
プトレマイオスとエジプト
終焉―そしてその先へ
補論1 プトレマイオスの『アレクサンドロス大王伝』
補論2 情報源
著者等紹介
ウォーシントン,イアン[ウォーシントン,イアン] [Worthington,Ian]
オーストラリア、マッコーリー大学教授。専門は古代ギリシア・マケドニアで、古典期アテネの政治と弁論家からアレクサンドロス大王時代の軍事、さらにローマやビザンツ期のギリシア世界まで、広範な分野で先端的な研究を牽引している
森谷公俊[モリタニキミトシ]
1956年生まれ。帝京大学名誉教授。専門は古代ギリシア・マケドニア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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