エクス・リブリス<br> もう死んでいる十二人の女たちと

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エクス・リブリス
もう死んでいる十二人の女たちと

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  • サイズ 46判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090664
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

韓国で最も独創的な問題作を書く新鋭作家のベスト版短篇小説集

韓国文学の新しい可能性を担う作家として注目され続ける著者の、10年の軌跡を網羅した日本版オリジナル編集による短篇小説集。本邦初の書籍化。
パク・ソルメは1985年光州生まれの女性作家。福島第一原発事故が起きた際、大きなショックを受けたという。原発事故に触発され、韓国でいち早く創作した作家がパク・ソルメである。光州事件や女性殺人事件などが起きた〈場所〉とそこに流れる〈時間〉と自身との〈距離〉を慎重に推し量りながら、独創的で幻想的な物語を紡ぐ全8篇。全篇にわたって、移動しながら思索し、逡巡を重ねて、「本当のこと」を凝視しようとする姿勢が貫かれ、ときおり実感に満ちた言葉が溢れ出る。描かれる若者たちは独特の浮遊感と実在感を放つ。
「そのとき俺が何て言ったか」:カラオケボックスを経営する「男」にとって、大事なことは「心をこめて歌わなければならない」という一点だ。女子高生のチュミが友達とカラオケボックスに入ると、友達は一生けんめい歌ったが、チュミはちゃんと歌わなかった。友達が水を買いに出た後、一人になったチュミのところに男がやってきて……。
「じゃあ、何を歌うんだ」:旅先のサンフランシスコで、在米韓国人のヘナが光州事件について発表する場に居合わせた「私」。そこでの話はまるでアイルランドの「血の日曜日」のように、疑問の余地がないように聞こえた。2年後に光州でヘナと再会し、金正煥の詩「五月哭」をヘナと一緒に人差し指で一行一行なぞりながら読む……。
「冬のまなざし」:釜山の古里原発で3年前に起きた事故に関するドキュメンタリーをK市の映画館で見た時のことを振り返る「私」。事故後の釜山の変化、監督や映画館で会った人との交流を、自身の微妙な違和感を交えながら回想する。
「もう死んでいる十二人の女たちと」:五人の女を強姦殺害したキム・サニは、交通事故で死んだ後、犯行手口の似た別の人物に殺された女たちが加わった計十二人に改めて殺された。「私」はソウルの乙支路入口駅にいる幼ななじみのホームレスのチョハンを通してそれを知るのだが……。

内容説明

本邦初の書籍化!オリジナル編集による待望のベスト版短篇小説集。光州事件、福島第一原発事故、女性殺人事件などの社会問題に、韓国で最も注目される新鋭作家が独創的な想像力で対峙し、実感のある言葉を紡ぐ鮮烈な8篇。

著者等紹介

パクソルメ[パクソルメ]
1985年、韓国・光州広域市生まれ。韓国芸術総合学校芸術経営科卒業。2009年に長篇小説「ウル」で子音と母音社の新人文学賞を受賞してデビュー。14年、「冬のまなざし」で第4回文学と知性文学賞、短篇集『じゃあ、何を歌うんだ』で第2回キム・スンオク文学賞を受賞。19年、キム・ヒョン文学牌を受賞

斎藤真理子[サイトウマリコ]
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳、クレイン)で第一回日本翻訳大賞を受賞。チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』(白水社)で“韓国文学翻訳院”翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

245
現代アートを観たときにかんじる、心地よい疲労感がある。そこに対象が在る、ということはわかるが、はて「それ」はどこからきたのか、といったような。まず人物がいて、そのひとの周辺や見る景色、あるいは出会う人々などが詩的に美しく描かれ、歌のリズムを伴って少しずつぼんやりと世界が構築されていく。過去と未来が混ざり合い、時間は折りたたまれて他者との境界もやがてあいまいになる。福島第一原発事故や光州事件といった実在の事件が顔を出し、おっ、と繋ぎとめられるが、しばらくするとまた現在地がわからなくなる。⇒2021/03/28

ヘラジカ

65
類稀なる世界観や思考の流れを、独特の言語表現によって筆写した難解な作品集。レイヤーのように重ねられた時制や場面、対象が曖昧になるほどのリフレインは、いずれも作者の物事の見方が単線的でないことを表している。この作家はあらゆる出来事を、作中で釜山タワーをスケッチブックに描くときのように脳内で再構築しているのではないか。高度な思惟を体験する読書。小説としてはシュルレアルな作品が多く、時にオートマティスムと思われる文章にも遭遇する。人によって好き嫌いは分かれそうだが、韓国文学の幅広さを知ることができる面白い一冊。2021/02/26

Vakira

62
韓国の女流作家。この題名から12編の短編集かと思いきや、8つの短編集。初っ端の短編からやられました。1話目【その時俺がなんと言ったか】一生懸命の罠。JK2人が入ったカラオケルーム。一生懸命歌えなければお仕置きだ。なんで?ちゃんと金払ったよね。一生懸命歌っていたサンナンは何処?監禁じゃおかしいじゃん?日常に突然出現したヴァイオレンス。これはホラー?サイコスリラー?それとも不条理日記?こんな感じで短編集は幕開け。がっちり肝捉まれる。しかしそれから読み出す作品は作風がガラッと変身。2022/02/08

竹園和明

47
収載8篇から炙り出され見えてくる韓国の現実。妙なモラル感と強権的な空気、自国の歴史や出来事に対してどこか醒めた目で見る若者ら。これらは儒教の教えがデフォルメされた今日的な末路なのか。淡々と語るような冷静な文体が妙に寒々しい。作中に登場する言葉「私の前には何枚ものカーテンがかかっている」が本作の全てを物語っているような感じ。事件や事故の当事者と非当事者、年配層と若年層といった両極の距離の遠さ、強い行動規範とそれを強要する空気。それらを淡々と細かく描く事で、韓国の若者世代の無言の抵抗を顕しているように感じた。2022/01/26

星落秋風五丈原

42
のっけから理不尽がきますねえ。2021/04/28

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