出版社内容情報
人生の葬り去りたい記憶の瞬き
1990年代から現在までのチリを舞台に、社会の片隅で生きる女性や子どもの思いと現実をまばゆく描き出す9つの物語。
「恥さらし」9歳のシモーナは、失業中の父と幼い妹とともに面接会場に向かう。会場に着くと、意外な展開が待ち受けていた。
「タルカワーノ」軍港のある寂れた地方都市タルカワーノに暮らす「僕」は、ザ・スミスに憧れて、近所に住む兄弟とバンドを組む計画を立てる。楽器を教会から盗もうと企んだ彼らは、日本古来のニンジュツの修行を始める。
「アメリカン・スピリッツ」3年前、ファミレスのフライデーズでアルバイト仲間だったドロシーに呼び出された語り手が、彼女から意外な告白を聞く。実は、ドロシーはある事件の張本人だった。
「よかったね、わたし」首都サンティアゴのショッピングモール内の図書館で働く孤独な女性デニス。しつけの厳しい家庭に育ち、成績優秀だが友だちのいない少女ニコル。2人のヒロインの人生が交互に展開する。
2015年度チリ芸術批評家協会賞、2016年度サンティアゴ市文学賞を受賞、チリの新星による鮮烈なデビュー短篇集。
内容説明
1990年代から現在までのチリを舞台に、社会の片隅で生きる女性や子どもの思いと現実をまばゆく描き出す9つの物語。チリの新星による鮮烈なデビュー短篇集!人生の葬り去りたい記憶の瞬き。2015年度チリ芸術批評家協会賞、2016年度サンティアゴ市文学賞受賞作。
著者等紹介
フローレス,パウリーナ[フローレス,パウリーナ] [Flores,Paulina]
1988年、サンティアゴ生まれ。チリ大学卒業後、高校で教えながら小説を書き始める。2011年、「本と読書推進のための国家基金」より奨学金を獲得。2014年、短篇小説「恥さらし」でロベルト・ボラーニョ短篇小説賞を受賞。2015年、同作品を収録した短篇集『恥さらし』を刊行、同年のチリ芸術批評家協会賞と翌2016年のサンティアゴ市文学賞を受賞。デビュー作となる『恥さらし』は、スペインを代表する新聞「エル・パイス」紙の2016年度小説ベスト10の8位に選出され、スペイン語圏全域でその名が知られるようになった
松本健二[マツモトケンジ]
1968年生まれ。大阪大学言語文化研究科准教授。ラテンアメリカ文学研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。