エクス・リブリス<br> 回復する人間

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エクス・リブリス
回復する人間

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090596
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

痛みがあってこそ回復がある

 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。
 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられる――ウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。
 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。
 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。

内容説明

大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。李箱文学賞、マン・ブッカー国際賞受賞作家による珠玉の短篇集。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

296
7つの短篇から構成される。ここにあるのは、まぎれもなく現代の韓国文学なのだが、ややもするとそうであることを忘れてしまいそうになる。訳文の達者なことにもよるのだろうが、それだけテーマや語り方が現代においての普遍性を帯びているからだろう。また、前半の作品などは、日本の1960~70年代の内向の世代(古井由吉、小川国夫など)を思わせもする。それは、テーマが古いということではなく、抒情の質において似ているように思うのだ。そして、その後に位置する「左手」は、島尾敏雄のシュールレアリスムを連想させもするようだ。⇒2025/05/10

buchipanda3

92
心臓はずっと動いている。清廉なリズムを刻んで。ただその鼓動は生と死の境目を直に見せるかのようで、どこか心を落ち着かなくさせる。著者が描く物語は自分の身体という存在を鼓動と共に強く意識させるもので、読むうちに人生に伴う苦しさに包まれた。傷を負ったままならない身体(人生)への不安、後悔、自責、そして渇望と絶望。著者の言葉はそれらに繊細にゆっくりと寄り添う。苦痛を誤魔化すのではなく、苦痛を感じたことで自分の生き方に本当に向き合えることを伝えてくる。それこそが回復と再生。尊さと芯の強さを感じさせる想いが胸に響く。2024/03/29

ちゃちゃ

84
ハン・ガン作品を読むごとに、人間の本質、社会や歴史の真実と真摯に対峙する姿勢に惹かれてゆく。彼女の言葉はあまりにも繊細かつ痛切で、まるで深い傷から鮮血が流れ出ているような生々しさと痛みを伴う。けれど彼女は絶望の淵からも、沈潜する真実を捉えようとする。そこに作家としての強靱さと誠実さ、矜持を感じる。7つの短編いずれにも死の影が色濃く映し出されるが、その暗い影は逆に清冽な生を描く。回復する道筋を探るのは、他ならぬ自分自身なのだ。弱く脆く時には愚かでも、人間への愛と信頼が彼女の作品を貫く思想なのかもしれない。2025/03/29

kaoru

80
肉体や精神に傷を抱えた人間が回復する過程を描いたハン・ガンの短編集。繊細で時に激しい描写に圧倒される。性的指向に違和感を抱く青年が主人公の『エウロパ』、病弱な画家と女性の交流を描く『青い石』、一家の担い手の女性の焦燥を綴る『フンザ』。韓国社会の閉塞感や男性優位社会で様々に傷つく人々が描かれるが日本も同じ状況を抱えている。両手の機能を失い、夫とも不仲になった女性画家が苦しみつつ思い出を通じて精神の恢復を試みる『火とかげ』に最も感銘を受けた。混乱した現代社会を主体的に生きようともがく登場人物達に薄明かりの→2024/12/21

キムチ

79
ハン・ガン2冊目。この本も静かな語りながら、秘めた熱がビンビン、こちらに伝わってくる。文体もこねくり回す文学調ではないので読み易いが、ㇲ~っと読むと脳から零れ落ちそう。テーマは痛みと回復・・痛みがあるからこそ 次なる生の場面へ向けて回復を試みる。瘡蓋が剥がれても,尚進む。「左手」だけ、毛色が異なり、不条理のカフカ調の作品。自分の身体の一部でありながら思いが通じないジレンマと激情の迸り。面白い。同じ左手を扱いながら再生の姿を描く「火とかげ」エンパワメントの発想と黄色い模様の永遠・・忘れられない映像だ2025/02/08

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