エクス・リブリス<br> 海の乙女の惜しみなさ

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エクス・リブリス
海の乙女の惜しみなさ

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  • サイズ 46判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090589
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

どん底から救済を夢見る人々の姿

 2017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。
「海の乙女の惜しみなさ」
 広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。
「首絞めボブ」
 1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。
「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」
 詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。
 「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。

内容説明

広告代理店に長年勤務した初老の男ビル・ウィットマン。彼の人生の瞬間の数々を自虐的ユーモアを交えて語る断章形式の物語。(「海の乙女の惜しみなさ」)。もとはモーテルだったアルコール依存症治療センター“スターライト”。そこに入所中のマーク・キャサンドラが、ありとあらゆる知り合いに宛てて書いた(または脳内で書いた)一連の手紙という体裁の短篇。(「アイダホのスターライト」)。1967年、ささいな罪で刑務所に収監されることになった語り手。そこで無秩序の寸前で保たれる監房の秩序を目の当たりにし、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談を聞く。(「首絞めボブ」)。かつてテキサス大学で創作を教えていた語り手は、あるとき学生たちを連れて老作家ダーシー・ミラーの牧場を訪ねる。その後、作家仲間から彼の安否を気遣う連絡を受け、ふたたび訪問すると、そこには、すでに死んだはずの兄夫婦と暮らしていると錯覚するミラーの姿があった。(「墓に対する勝利」)。詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークは、エルヴィスの生涯に関する陰謀説を証明しようとしていた。(「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」)。

著者等紹介

ジョンソン,デニス[ジョンソン,デニス] [Johnson,Denis]
1949年、旧西ドイツ、ミュンヘン生まれ。1983年、長篇小説Angelsでデビュー。核戦争後の近未来を描くFiskadoro(1985)や、ニカラグアの内戦を題材とするThe Stars at Noon(1986)など長篇小説を精力的に描きつづける。1992年に発表した第一短篇集『ジーザス・サン』(白水社)により、カルト的に支持される作家となった。2007年、ベトナム戦争を描いた長篇小説『煙の樹』(白水社)で全米図書賞を受賞、ニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書にも選出された。2011年の中篇小説Train Dreamsはピュリッツァー賞の最終候補となる。2014年、現代の西アフリカを舞台としたスパイ小説The Laughing Monstersを発表。2017年、肝臓癌のため67歳で死去

藤井光[フジイヒカル]
1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。同志社大学文学部英文学科准教授。主要訳書:A・ドーア『すべての見えない光』(第三回日本翻訳大賞受賞、新潮社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

124
短編五つ。後半の三つは、作者の苦しさを体感するようでつらかった。喉から血を吐きながらのたうち回って叫び、こんなはずじゃなかったと頭を掻きむしる作者が、行間にいる。その行動故に、生に少しずつ背中を向けながらも、死に向かっている恐怖に怯え、死神を振り払おうとしているようだ。最初の『海の乙女の惜しみなさ』は、渇いた人生観が、諦観のようなものが、味わい深かった。2つ目の『…スターライト』では、一緒に死神に立ち向かおうじゃないかという気にさせてくれたのに。。。2019/06/25

ヘラジカ

52
一作一作に込められた力がありありと伝わってくる。強力無比の傑作短篇集。これだけの作品を書くには相当に身も心も削らなければならなかったのではないか。遺作であると聞くとついそんなことを考えてしまう。どれも長篇小説に比するほど濃密。特に「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」はデリーロやピンチョンの大作を髣髴とさせる傑作だった。2022/05/20

りつこ

42
初めて読んだデニス・ジョンソン。アルコール依存治療センターや刑務所暮らしという特異な状況の中でも、広告代理店を勤めあげたとしても、大学教師だとしても、満たされない気持ちや身の置き場のなさは同じで、そして死は誰にも平等に訪れる。乾いたユーモアはあるが描かれる死のイメージがあまりにリアルでぞくぞくっとするのだが、それは作者の夭折にも関係しているのではないか。奈落の底を覗き込みすぎたんじゃないか、そんな気がした。2019/06/22

jahmatsu

34
またまたコレ最高。『ジーザス・サン』のカラッカラッに渇きった感じより、やや叙情的で死を感じさせつつ、より濃密。エルヴィス陰謀説ネタには、ゾクゾクさせられた。特に後半の2篇最高、一気読み。 白水社にデニス・ジョンソンの他の作品、翻訳化を切に願う。2019/07/21

三柴ゆよし

34
渇いている。叙情が忍び入る余地もなく。あの伝説的な『ジーザス・サン』と比べてもそうなのだが、にもかかわらず、この短篇集には胸が引き裂かれそうな詩情が詰まっている。たとえば死について。それはとりたてて甘くも苦くもなく、いずれだれもがその領域に達するし、要するに足を踏み入れた深さのちがいがあるだけだ。私たちは老若男女の別なく、例外なく死にかけている。デニス・ジョンソンは明らかにかくのごとき達観から出発した作家だが、とはいえ、どう考えてもはやすぎる死、なにかをかけちがえたとしか思えない死のかたちはたしかにある。2019/05/20

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